OP:OD OD-2・戦闘後
防衛範囲拡大
攻撃やめ! 一般人に注意!
奴らが逃げるぞ、コーエン!
構わなくていい、他の人を守って!
誰か手伝って、こっちにケガ人がいる。
まずは彼らを安全な場所へ運べ。
先生はどこ!? 大丈夫!?
ここです! 僕は大丈夫です!
足がっ、足が折れた!! ううっ!
落ち着いてください! 脱臼しただけです。折れてませんからすぐ入れなおします。少しだけ我慢してください。
ママ……ママ……
誰か! アルガーのお母さんを見ませんでしたか!
……助けて……たす……
包帯が足りない……
クソッ! *スラング*
あっち、火の手が上がってないか?
あの方向は……町の中心?
襲われたのはここだけじゃないようだ。
どうしてですか? 領主の衛兵隊はどこでなにをしてるんですか?
そんな奴らなど、あてにするな。
いたる所から争いの音が聞こえてくる。面倒なことになった。こんな開けた場所に留まってるわけにはいかない。
まずはそのケガ人数名を、建物の後ろへ!
モンスターだ! モンスターがまた来たぞ!
助けて!
ッ! 次から次へと!!
アレクサンドル! 屋根に登って援護を!
了解!
……時間がない! 先生。ここを離れるぞ。
でも、どこへ?
まずは先生の診療所に行きましょう。
ケガ人と患者さんたちを……
ここで対応してたらキリがない、動ける人たちは自分で先生の診療所に向かわせる。
……わかりました。
誰か手を貸してください! 動けない人がいます!
ケッツ、ほかに家の中に隠れてる人がいないか見て来て。この地区の人たちを、全員診療所に向かわせて。
ちゃんと安全も確保するのよ!
了解。
……
……ほんとにひどい災難ね。
40人ちょっと……見つかった人たちは全員ここにいるのね?
はい……
見つけていただいた人たちは……みんなここに。
どれくらい減ったか、わかる?
結構な数だということだけは。町の方に逃げた人もいるはずです。
それに一部のお年寄りたちは……間に合いませんでした……
今は気にするな。先生のせいじゃない。
モンスターたちは、どっから来た? 訓練されてる戦闘用のものなのか?
すいません、わかりません。……僕も初めて見ました。
暴徒たちが武器を出した途端、呼吸を合わせてモンスターたちが地面から現れた。
そもそもどこから来たかなどどうでもいい。それより数が多すぎる方が問題だ。
周囲の状況は?
めちゃくちゃだ。
町の方から戦闘の音が聞こえていたが、何が起きたかはまだ確認できていない。
弾薬の残量は?
多くない。私はマガジン四個だけ。アレクサンドルの弾を使い切ったら、面倒なことになる。
弾薬よりもこの建物の方が心配。もう持たない。
あのモンスターの大きさなら、1、2匹仕留め損なっただけで、ここの壁をぶち破られる。私たちじゃいずれは防ぎきれなくなる、なんとかしないと。
先生、患者の状況は?
多くの人がケガをしていますが、こんな状況では簡単な手当てしかできません。
包帯と消毒用アルコールが足りません。
町を離れるという選択肢は?
町を離れるとしてどこへ向かう? しかもこんなにたくさんの人を連れて?
そもそも食料と水がない。これで町の外へ出るなど自殺行為だ。
モンスターたちがあたしたちを見逃してくれるとは思えないわ。荒野へ行けば状況はもっとひどくなるだけ。遮蔽物も身を隠せる場所もない、それにモンスターは地面に潜れる……
とある場所を知っています……そこなら安全といえるかもしれません。
町の南に、特殊な建造物があります。恐らくは町で一番安全な場所でしょう。堅牢性だけなら領主の屋敷と大差ないかと。
詳しく聞かせてもらえるかしら?
以前、ロドスという医療組織が、町外れの土地を借りたんです。
その後ロドスは労働者を雇い、土や石をたくさん掘って、そこに頑丈な建物を建てたんです。
……もしかしたらこの辺りでは最も頑丈な建物かもしれません。要塞のような見た目です。
どうして「ロドス」とやらがあたしたちを助けてくれると?
あそこには一人の見張りが常駐しているだけです。僕は彼と知り合いで、彼から医療品を買ったこともあります。
土や石をたくさん掘ったってことは、地下室もあるんだろうな。
傭兵のセーフハウスってところか?
当てにならなそうだけど。
俺たちにもっと良い選択があるならともかく、今は行ってみることを提案する。
食料も水もないんだ、この日干しレンガ製の建物にいても、ただ死を待つだけに等しい。
その建物は町の外れにあります。一度、町の外に出てから大回りしましょう、そうすれば町の中からは見つからずに済みます。
……そうね。
ケッツ、盾はまだ使える?
半分はなくなっちまったが、殴り飛ばすことぐらいはできる……多分な。
あたしと一緒に、もう一人誰かついてきてもらう必要がある……先生の護衛をする人がいないと。
なら、俺が行こう。俺が先生の代わりに弾を受けてやるよ。
バカなことを言わないで。
あたしとケッツは先生について、その「セーフハウス」を確認してくる。ティナはここに残ってアレクサンドルのサポートをしてちょうだい。
了解。
先生、今からしばらくは何が起きても、あたしの指示を聞いて。
わかりました。
ケッツ、先生をお願い。
すべてうまくいくさ。俺がいるんだからな。
明かりが見えないが……誰もいないってことか?
まだ近付かないで。扉が壊されてる。
……ここも?
この暴徒たちの目的は何だ? 強盗や盗賊と同じように、破壊や略奪か?
た……助けてくれ……
頼む! 誰でもいいんだ! 助けてくれ!
わ……私はまだ死にたくない……くそ……
ここの見張りの人です。
待って!
あたしが見てくるから。
……こうなるって知ってれば、こんな仕事受けなかったのに……
こんな所で死ぬのはいやだ……
だ……誰だ!
動かないで、足が折れてる。
よ……傭兵!?
殺さないでくれ! お願いだ! 鍵がどこにあるかなんて本当に知らないんだ! 私はただの見張りなんだ!
信じてくれ! 私は本当に知らない!
落ち着いて! あたしはあんたを助けにきた。
あ……あなたはあいつらの仲間じゃない……?
助けて! 頼む……助けてください!
落ち着いてって言ってるでしょ!?
ケッツ! 先生を連れて、こっちへ!
オクフェンさん……足が……
あ……先生!
あぁ……よかった!
落ち着いてください。僕があなたの足を診ます。
クソ、部屋がメチャクチャだ。
部屋の中は、随分狭いのね。
隠し扉に、仕切られた部屋、強化された外壁……これぞセーフハウスって感じだな。
……これは?
これは無線? 全部壊されてるな。
俺たちのよりずいぶんレトロな感じだな……バカでかい。この世界にもこういった通信手段があるとは思わなかった。
車があったんだもの、無線があってもおかしくはない。バカにしたものじゃないわ。
住んでたボロ屋にも「廃棄家電」があった。おそらくは冷蔵庫、扇風機、ケトル……共通点として、通電の必要性がない。
ここの無線設備や、前に乗った車のようにね。
こちらの機械には、どれもこれも黒い結晶が付けられているか、それを付けるための設備がある。これが恐らくこちらの世界のエネルギー源なんだろうな。
いててて! 先生、優しくしてくださいよ!
大したことはないですから、ちょっとだけ我慢してください。
……よかった。それほどひどい状態ではありません。骨も折れてないようです。
あんたがここの責任者?
ここは……ロドスの駐在事務所で、私はただの見張り役です。
暴徒たちがここに押し寄せ、お前に地下室の扉を開けさせようとしたが、ここを守る義務があるお前はしらばっくれた。その結果、連中にぶちのめされたってところか?
……大体はそんなところです。
待ってください。どうしてあなたたちが地下室のことを?
かかったな? 実は俺たちはその暴徒の黒幕だ。お前に口を割らせるためにわざわざ来てやったのさ。
なっ??
ケッツ!
怒るなよ、場を和ませようとしただけだ。というわけで、今の話は冗談だ。本気にしないでくれよ。
あ……あなたたちの目的は何なんですか?
安心してください、コーエンさんたちは良い人たちですから。皆さんがずっと感染者地区を守ってくれていたんです。
か……感染者地区も襲われていたんですか??
め……めちゃくちゃだ。
領主の衛兵隊は? トゥラ領主の衛兵隊は?
領主の衛兵隊は来てくれませんでした。何かトラブルがあったのだと思いたいです……
オクフェンさん、あたしたちはあんたの助けを必要としているの。
私に何ができるというんです? 今は、立つことさえままならないのに。
患者たちも襲われたの。感染者地区の人と建物はすべて見るも無残な状態よ。
このセーフハウスを開放してほしいの。彼らをここに避難させたいのよ。
それは……
その代わり、俺たちがお前の安全も確保してやる。俺たちを信じていい。
でも……ですが……
ロドスとの契約で、このセーフハウス周辺の土地と、建物内のすべてがロドスの所有物扱いなんです。
……だから、私にはこの建物を開放する権利が……
……
いや……感染者たちか……
……いいでしょう。彼らを連れて来てください。命を失うよりは仕事を失う方がましですからね。
オクフェンさん、ありがとうございます!!