OP:OD OD-ST-3・幕間
大地を行く
半月後……
あなたたちの尽力に感謝いたします。コーエン殿、ケッツ殿、ティナ殿、アレクサンドル殿。
私が謹んで……ロングスプリングの……ええと……
申し訳ない……こうした言葉遣いで人と話すのは、慣れなくてな。やはり今まで通りでいかせてもらう。
お前たちのおかげで私は弟の手から生き延びることができたし、私の領民も再び自分たちの土地で暮らすことができる。
恩に着る。
当然のことをしたまでよ。
今回の危機はあたしたちが引き起こしたようなもの。だからあたしたちで終わらせる義務があった。
いや、もしあの救いようのない愚かな弟がいなければ、何も起こることはなかった。
本当はお前たちに報酬を渡したいのだが……
見ての通り、ロングスプリングは壊滅状態だ。
残った財産は、すべて町の復興に充てたいと思っている。
現金による報酬は……申し訳ないが、支払ってやれない。
だがこの屋敷にある物で、気に入った物があるならそれを渡そう。遠慮なく持って行ってくれ。
屋敷を取り壊して全て持っていってくれると尚良い。新たなロングスプリングを作り上げるには、無用のものだからな。
その点についてだけど――
アレクサンドル?
このヘルメットはよく馴染む……もらってもいいか?
……
いいね、それだけピカピカなら目くらましになる。俺も盾に取り付けようかな。そうすれば今後、電池も必要なくなるしな。
この結果だけであたしたちは満足してる。もう十分よ。
なに? それだけでいいのか?
私の武器や父上のコレクション、全部――
いいのよ……あんたの方が物入りでしょ?
……
感謝する。
みんな、そろそろ行きましょう。
ケッツさん、皆さん。
やっと出てきた。
……
領主のお嬢ちゃんに別れを告げてきたんじゃろう?
ならば儂らも行くとしよう。
私の小隊がロドスまでお送りします。
すまんのう。
コーエンさん、私たちとご一緒にどうですか?
そうね。あたしたちも休息と補給ができる場所は欲しいわ。
それにあたしたちには身分が必要よ。
この世界……いや、この「大地」を歩いていける身分が。
わかりました。ロドスが多少なりともご助力できるかと思います。
車の準備はできています。出発しましょう。
皆さんの情報はすでにロドスの端末に登録されました。今後は各所にあるロドスの事務所やセーフハウスで、滞在および補給をすることができます。
皆さんはロドスの正規職員ではありませんが、任務ネットワークは開放されておりますので、任務を引き受けることで報酬を得ることができます。
説明は大体これくらいです。何か他に知りたいことはありますか?
待ってくれ……聞いてもいいか? ロドスにはSF小説を読める場所はあるか?
えっ??
つまり、これが俺たちの新しい身分ってことか。
少なくとも、まだこの盾を使ってられる。悪くない。
何か計画はあるの?
この大地を見て回るのよ。あたしたちはこの世界をあまりにも知らなすぎる。
詳細な計画書が欲しいところだけど。
でも今回ばかりは……
自分たちで何とかするしかないわ。
なら俺たちの最初の目的地は?
シエスタと呼ばれる場所よ。聞いた感じ良さそうな都市だった。
なら、そこに行こう。
結局、家に帰るまでは道半ばってことだな。