理想都市-エンドレスカーニバル-IC-4・戦闘前「どでかい水たまり」
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名前

理想都市-エンドレスカーニバル- IC-4・戦闘前

「どでかい水たまり」

そわそわしたドゥリン人

おい、聞いたか? あのビッグニュース!

うずうずするドゥリン人

どのニュースのこと?

そわそわしたドゥリン人

クロッケが言ってたヤツさ! 代表たちが何か新しい計画について話し合ってるって。

うずうずするドゥリン人

前の都市全体のライトを緑色にするって計画は、あんまり好きじゃなかったな。

そわそわしたドゥリン人

それじゃない! あの滑り台に関する計画だよ!

スディチとキャッチが「どでかい水たまり」の改修計画で言い争ってるみたいなんだ!

うずうずするドゥリン人

あの二人が!? いったいどんな話になってるの?

そわそわしたドゥリン人

確かウォーターキャノンの話だよ。でかいやつをいくつか作って、発射した人が別のキャノンにスポッと入ったら、さらに発射して……って感じだったっけ?


スディチ

絶対ダメ!

キャッチ

じゃあちょっと変えてみようか。ウォーターキャノンで高い場所にある飛び込み板まで人を打ち上げて──

スディチ

ウォーターキャノンしか頭にないのかよ?

キャッチ

じゃあ、大建築デザイナーのスディチさんには、どんな素晴らしいアイディアがあるのかな? ていうか元々これは君の発案だろ?

スディチ

うっ……それは元々、あのアカフラ人たちの立てた計画で、オレはただ、チーフ建築デザイナーとして管理しようとしただけだし……

キャッチ

地上人に鉄道橋の建設を手伝わせることについては異論はないよ。だけど僕たちが今議論してるのは、鉄道橋の上にあって、鉄道橋と共存する、ゼルウェルツァのシンボルのことだよ!

僕にドームに手出ししてほしくないのなら諦めるよ、ドームに対する君の思いは充分理解できるからね。でも代わりに、あの巨大滑り台に代わる次のシンボルについて話し合おうよ。

スディチ

もっとシンプルで美しい方法があるだろ、シンボリックなものにすればいい!

キャッチ

もっと刺激的にできるだろ!

スディチ

もっと刺激的でにシンボリックなものにだってできる!

ふぅ……キャッチ、今話してもらちが明かないね。もうデザインコンペにしないか? 互いに案を考える時間を取って、それからゼルウェルツァの市民にどっちがいいか選んでもらおう。

キャッチ

いいよ、あの時と同じようにね。

クロッケ

私もそれに賛成だよ──

キャッチ

クロッケさん? お酒飲んでるの?

クロッケ

だーいじょぶだってぇ、ちょこっとだけだし。

イナム

三樽は飲んでたわ。

クロッケ

スディチ、あなたの計画は聞いたよ、とっても興味深い話だね。

キャッチもそれほど反対してないんなら、決まりだね!

デカルチャーを見つけたら、ゼルウェルツァの新しいシンボル制作を推し進めよ〜!


デカルチャー

つまり、ロボットたちへの接し方を変えるべきだってことね……

ユーネクテス

この子たちが可愛いと思わないのか?

確かにこの子たちはまだ「人」とは呼べない。私は医者ではないが、それでも今のロボットが人の複雑さに追いつくことが難しいというのはわかる。

だからといって、ロボットたちと友好的に付き合えないわけではないだろう。

デカルチャー、お前はこのチビすけたちの「保護者」なんだ。

デカルチャー

保護者……そうなのかしら?

ユーネクテス

この子たちは、お前を信じ、お前を頼っている。卵の殻を破ったばかりの羽獣が、母親の翼の下で成長するようにな。

デカルチャー

私は今まで、ロボットたちに……さほど「関心」がなかった。私はただ、工業代表としてやるべきことをやっていただけよ。歴代の代表たちと同じように。

ロボットの管理者は、図書館の機械コーナーに入り浸るドゥリン人の中から選ばれるの。私たちは、こうしたロボットの作り方をマスターしなければならないから。

でも実はそんなに複雑じゃないのよ。本に書いてある通りに、好きなパーツを組み合わせて……あとは少し想像力を働かせれば、それらは動き出すわ。

かつて、私の先生は何年もかけて、このロボットたちの稼働原理を解明しようとしたけど、最終的に何も得られなかった。

でもその先生の先生は、研究を重ねた結果、アシスタントロボットにジョークを言わせることに成功したわ。0429、ジョークを。

奇怪なロボ0429

ドゥリン人ヲドウヤッテ怒ラセルカ知ッテル? 誰モ知ラナイ! ハハハ。

ユーネクテス

すごいな。とてもレベルが高い。

デカルチャー

……そして私は、ロボットの力を当然のように何も考えずに使っていた。ズゥママ、あなたの言う通りね。私はロボットたちともっと「コミュニケーション」を取るべきだったわ。

0429、あなたの仲間の0428はもう引退したの、修理しても目を覚まさないわ。

でもあの子も私たちの一員よ。あの子が建設したものは消えはしないわ。

よく聞いて。引退は終着点じゃないの……わかった?

奇怪なロボ0429

コマンドヲ確認……引退ハ終着点ジャナイ──了解デス。

個体名ズゥママ、関係ヲトモダチデ定義済。個体名デカルチャー、関係定義希望。トモダチデ申請。

デカルチャー

友達……なるほど、友達か。私たちはそういった関係にもなれるのよね。

0429、知ってる? 友達はお互いに助け合うものなのよ。

今まで、面倒なことはいつもあなたたちに命令してやらせてたけど……

でも、それはよくないわね。私たちはもっと対等に付き合っていくべきだわ。

これからはあなたたちに、友達として手伝ってくれるよう、お願いするわね。

奇怪なロボ0429

了解。トモダチヲ手伝ウ。

デカルチャー

0429、それじゃあ早速だけど──

私の家にビールを三箱届けて、あとお菓子も。それから私はもう寝るから、今日の代表定例会には行かないとエッジ先生に伝えといてもらえるかしら。

ユーネクテス

……どうも不健全になった気がするのは気のせいか?

???

ズゥママ!

ユーネクテス

あっ、ガヴィル、お前たちも来たのか!

紹介しよう。私の新しい友達、アシスタントロボット0429と、そのブラック上司のデカルチャーだ。

奇怪なロボ0429

デカルチャー、会議参加命令。代表者全員──

デカルチャー

0429、タスク変更よ。友達としてあなたにお願いするわ、私の代わりに出席して。

奇怪なロボ0429

トモダチヲ手伝ウ、手伝ウ!

ガヴィル

自分で行け!


キャッチ

そういえば、前にこれだけたくさんの人が集まって会議したのは、何を話し合うためだったっけ?

クロッケ

酒類の供給不足問題についてだよ。

デカルチャー

足りなくなったことなんてあった?

クロッケ

あなたがサボった回だ。

エッジ

ハハハ、懐かしいな。ミード好きの連中がスピリッツ愛好家たちに酒を飲ませないようにするため、ゼルウェルツァ中のスピリッツを買い占めた時か。

その報復のため、スピリッツ愛好家協会のヤツらも街中のミードを買い漁ってたっけな。

ガヴィル

ここの飲んだくれどもは、酒がなくなったら生きていけるのか?

クロッケ

生きていけないよ。だから、元々報復のために集めたお酒を、結局彼らは飲み始めたんだ。

キャッチ

その結果、お互いのメンバーはほとんど入れ替わっちゃったみたいなんだよ、アハハハハ!

でも残念だな、ベリートマト酒の魅力を未だに誰も理解できないなんて。

クロッケ

……

デカルチャー

……

エッジ

キャッチ、お前……ベリートマト酒が好きなのか?

キャッチ

そうだけど、それがどうかしたの?

クロッケ

どうりでどの愛好家協会にも属してないわけだね……

エッジ

それは……まあ置いておいて本題に入ろう、今回私たちが集まったのは「どでかい水たまり」に関する議論のためであるが……

デカルチャー

「どでかい水たまり」を取り壊す案には賛成よ。早ければ早い方がいいわ。

クロッケ

私も賛成だよ。

キャッチ

君たちあれが気に入ってたんじゃないのか! クロッケさんは週に何度も通ってただろう!

クロッケ

今となっては後悔してるよ。ベリートマト酒好きな奴が建てた施設であんなに時間を浪費しちゃってたなんて……恥ずかしい。

デカルチャー

こんな人物の建設プロジェクトに参加してたなんて……工業代表としてあるまじき失態よ。

キャッチ

ひどいな君たち! ちょっと、エッジ先生まで、なんでそんな顔してるのさ。

エッジ

ハハッ、ベリートマト酒好きとは、さすがにちょっとなぁ……

ガヴィル

全員合意したってんなら、アタシらはあの派手な巨大滑り台を爆破して鉄道を作り直し、エッジ先生が心配してる問題を解決する。他に意見はねぇか?

キャッチ

少し名残惜しいけど、建築デザイナーは過去の作品にとらわれてはいけないからね。新たに才能を発揮するチャンスだよ。

クロッケ

スディチ、例のゼルウェルツァの新たなシンボルについて、キャッチとデザインコンペをするって話、本気なんだよね?

スディチ

もちろんだよ。

エッジ

ほう? スディチ、ようやくやる気になったのか?

スディチ

アンタたちがそこまで言ったからね、そりゃオレも少しは本気を出すよ。

エッジ

これから数ヶ月の間は楽しくなりそうだ。まずは酒を買いだめしておかんとな。

キャッチ

だったらベリートマト酒を試してみてよ。本当に言うほどまずくはないんだよ。

エッジ

絶対に断る。


キャッチ

集計が終わったよ!

それでは、みんなの決定に従って「どでかい水たまり」は取り壊すということで。あと鉄道橋を建て直して、同時に新しいゼルウェルツァのシンボルを作るよ!

歓喜するドゥリン人

やったぜ! ちょうど飽きてきたところだったんだ!

わくわくするドゥリン人

新しくするんなら、今までと全然違うものがいいよな! 聞いた話だとジェットコースターだって?

歓喜するドゥリン人

水上ジェットコースターか!

わくわくするドゥリン人

水上ぐるぐるジェットコースターだ!

歓喜するドゥリン人

どっかん式水上ぐるぐるジェットコースターだ!! セルカー専用のコースと、スーパーウォーターキャノンつき!

キャッチ

具体的なデザイン案については、僕とスディチがそれぞれ提出することになる。その時はまたみんなに集まってもらって決をとるよ。

歓喜するドゥリン人

スディチ? 四角い箱に住んでるあのスディチか?

わくわくするドゥリン人

うーん、数年前にあいつのデザインを見たことがあるぞ。遊んでてそこまで楽しいわけじゃないが、独特な美しさがあったよな……

歓喜するドゥリン人

新しい遊びを考えるのもいいかもな。重要なのは場所じゃなくて、そこで何をするかだしさ!

わくわくするドゥリン人

スディチの建物は、寝っ転がってぼーっとするのにピッタリな気がするぞ──

歓喜するドゥリン人

『奇談怪論』でも、「超絶リラックスガリア式瞑想」って紹介されてたぞ!

わくわくするドゥリン人

うーむ、悪くはないな。

ガヴィル

ふぅ、どうやらうまく解決しそうだな? アタシらは何もしてねぇけどよ。

イナム

私たちはそりゃもう大変な交渉をしたのよ。そうよね、クロッケ?

クロッケ

エッジじい! 早く飲み干しなよ! コップの中に鱗獣でも飼ってるの!?

エッジ

ゴホゴホゴホッ! ちょっと、タンマ!

トミミ

私たち色んなことをしましたよ、ガヴィルさん! 一緒にたくさん買い物をして、楽しいバカンスを過ごしました。アカフラのために大きなプロジェクトも受けましたしね。

アヴドーチヤ

わらわの気分も害してくださいましたしね。

ガヴィル

何だよ、仲良くなれたと思ってたのに。

スディチ

うん、思ったよりうまくいったな。

ガヴィル

つまり、お前だけでもなんとかできたってことじゃねぇのか。

スディチ

ただ、問題はこれからだ……

ガヴィル

なんだよ? やけに浮かない顔して。

スディチ

最近はあまりデザインしてなかったから、ちょっと……

いや、何でもない。ただ準備運動をしなきゃと思っただけだ。

調子を取り戻せば、必ず──