一緒に踊ろう 幕間
一緒に踊ろう
……エクスペリメンタル・ロック、一票……アシッドジャズ、一票……
……デスメタル、一票。
昨日の再現だな。今週のダンスホールの音楽ジャンルはまた決まらなかったか。
じゃ、好きに議論をしててくれ。
サリバン! 前にブラックボックスシアターでライブを見た後、次はデスメタルに投票するって約束したじゃん!
やっぱり俺は何にも縛られない電子音楽が好きなんだ。まさに未来の音さ!
仕方ない、あの時のチケット代は返そう――
俺の新作が売れたらな。
あの心を揺さぶるライブ、アンタの魂にも刻みこまれてるでしょ。それがたかだかチケット代程度の価値しかなかったって言いたいわけ?
投票し直して。
それは――
無理だろうね。
不正に票数を増やすことを防ぐために、今回は金属のスコアボードを用意しろってオーナーから指示を受けたのさ。
だけどコストを考えた結果、硬い金属板を使うことになってね。票数の記録に電動ドリルを使うしかなくて、点数を変えるのが手間なんだ。
*電動ドリルの騒音*
もう投票なんてやめた方がいいんじゃないか?
機械式投票箱、音声認識スコアボード、臨時の外付け音響設備まで使っての作品アピール……挙げ句の果てには集団催眠をやろうとした奴までいた。どんどん手段が多様化して、正直怖いくらいだ。
前回なんか「マスター」がリターニアのカントリーミュージックを勝たせるために、片手で純正源石を十個もジャグリングして俺たちの注意を引いて、その隙にこっそりスコアボードを細工してた。
何より怖いのは、それが上手くいっちまったことだ。
それで「マスター」の投票権は取り消されたんだってね!
*電動ドリルの騒音*
テクノ、何か言ったか?
……一票……また一票だけ。
地下都市にいた時も、ここに来ても同じだった。
誰もアタシのセンスを理解してくれない。もうやってらんない!
まあ、そう怒るなよ。お前はうちのダンスホールで一番歓迎されてる客なんだ。
だがコミュニティにはルールが必要だ。人の話を聞かない前衛アーティストどもをまとめるため、俺たちはあらゆる手段を考えてきたんだ。
推薦曲が選ばれなかったとしても、芸術作品は何であれダンスホールにタダで展示できる。実際、お前の人形も飾ってあるだろ。
それは分かってるけど……
それにな、あー……デスメタルはちょっと――
ちょっと何!?
*電動ドリルの騒音*
アンタ、うるさい! 集計は後にして!
*電動ドリルの騒音*……クノ……テクノ……目を覚ませ……
よっぽどアタシの推薦曲を勝たせたくないみたいね。今回は誰の仕業?
……複数の発火場所を消化完了……梁を撤去……煙を吸い過ぎたためか、一時的に昏倒中……
ん? 変な匂いがしないか?
……テクノ! 聞こえるか、テクノ!
クソッ、だから言ったろうが。ダンスホールは電気配線が乱雑すぎるし、燃えやすい物を積み過ぎだって。
いや……俺のせいだな。俺が代わりにこいつらを処分すればよかった。お前たちみたいないい奴らが、自分の作品を捨てるなんてできるわけがないよな。
ディアスの……おっちゃん……?
よし、目覚めたか! 軽傷で済んだのは幸運だったな。医療スタッフがすぐに駆けつけてくる。
デスメタル……テーマ……
喋るな、今は休んでおけ。
サリバン……オーナー……みんな……
……こちら火災現場です。
消防局にはすでに通報が入っているようですが、コミュニティは入り組んだ場所にあり、すぐには救助隊が到着できない模様です。
火はいまだ延焼を続けており、コミュニティの住民が自ら消火活動を行っています。では、被害者の方にお話を訊いてみましょう。
こんにちは。非常に痛ましい火災ですが、原因についてはどうお考えでしょうか?
本当に痛ましいと思ってんなら、くだらないこと言ってないで少しは手伝ったらどうだ!
前の火事の時は誰も気にも留めなかった。あんたらみたいなリポーターでさえ取材には来なかったんだ。
どうやらこのコミュニティには長期に渡って消防上の欠陥があるようです。頻発する火災、溜まった廃材……どれも周辺区域に多くの影響を与えています。
どういう意味だ。
火事と俺たちの作品は関係ねえだろ!
確かに俺たちの資金は多くないから、端材を使った作品くらいしか作れない。だけど作品には、俺たちの満ち溢れる芸術的衝動が込められているんだ。
ストリートアーティストたちは地域の住民を顧みず、自らの作品が無価値であることを理解しながらも自己中心的な活動を続けています。その結果がこの火災を――
もういっぺん言ってみろ!
ぐっ……こうして最後は暴力に訴えるのが彼らのやり方です……これほど粗暴な流れ者が、高尚で純粋な「芸術家」を自称するなど信じられません……
サリバン、やめなって! そいつは撮れ高が欲しくてアンタの感情を逆なでしてるだけ。これは生放送なんだよ。
忘れたの? 最近の世論のせいで、唯一好意的だったスポンサーもいなくなっちゃったでしょ。
分かってる……けど、こんな時にまで皮肉を言ってくるこいつらにもう我慢できねえんだよ!
ダンスホールは改装したばかりだし、壁のグラフィティだって俺たちが一筆ずつ本気で描いたものなんだぞ。
それとカウンターの上の源石動力装置は、彫刻家が二年も貯めた金を全部注ぎこんだやつだ。来月には出品されて『アートレビュー』にも載ったかもしれないのに……今はどうだ?
ごほっ、ごほっ……この街の暴徒たちは、紙や木材、源石製品など燃えやすい物を故意に老朽化した電線の下に置いています。彼らにとっては、これが「芸術」のつもりなのでしょう。
しかし適切な管理をされていない以上、こういった災害は今後も増加の一途を辿ることでしょう。
この土地の買収計画が商人や軍部の間で持ち上がってから、俺たちが「事故」に遭うことがますます増えてきた。
あの正義面した「リポーター」が誰の差し金か、本当に分からないのか?
……
……ご覧の通り、借主たちが「芸術の揺りかご」と自称しているこのコミュニティが、実際には消防リスクだらけの不完全な建築群であることがお分かりいただけたと思います。
現在、ドッソレスの都市景観建築に貢献すべく、こちらのストリートアートコミュニティの刷新を引き受けたいという声が様々な方面から上がっています。
その中でも、軍部は強い意欲を見せています……
マッテオ大尉、実に見事な作戦でした。テレビの生放送という圧力の前では、あのチンピラどもも無茶はできないでしょうな。
ふん。商人の奴ら、頭に銃弾が詰まった軍人など、買収競争で簡単に出し抜けると思い込んでただろうな。
だがコミュニティの厄介者が相手なら、奴らより俺の方が経験豊富だ。
まさに仰る通りです。
あのリポーターがしっかり仕事をしてくれれば、俺たちは補償金すら支払うことなく、あの役立たずの流れ者どもをコミュニティから追い出せるだろう。
コミュニティの奴らは一見強気だが、心の底では認められることを何よりも欲している。居場所を焼き払われて、あの連中がどんな手を使ってくるか見ものだな。
大尉の大胆さには恐れ入ります。我々があの土地を手に入れる日は近いでしょう。
……このように身勝手で非道徳的な行いが続けば、より多くの無実の住民が路頭に迷うことでしょう。
あっ、火事から救出されたばかりの子供がいます。彼女に話を聞いてみましょう。
お嬢ちゃん、ケガはまだ痛むかい? パパとママはどこかな?
……誰が……お嬢ちゃんよ……
お嬢ちゃん、強がらなくても大丈夫。お兄さんはあの怖い不良どもを叱ってやってるんだ。さあ、おうちに……痛っ!
「お嬢ちゃん」? ドゥリンを見たこともないくせに、リポーターなんて名乗んな!
痛っ! 何する、このクソガキ!
バカ野郎! 早くカメラを止めてこのイカれたガキを引き剥がせ!
はっ、はい!
……
……
ふん……まるで邪魔なガラクタだな。なかなか処理もできん。
お、仰る通りです。
クソッ。チビのくせに、なんて力だ……
すみません、この角度ではダンスホールの内部が映らないのですが……
石頭が。外から撮影できないなら、中に入ればいいだろう。
放送が始まってから今まで、もう数時間は燃え続けている。ダンスホールは鎮火したが、隣のアパート二棟は運がなかったな。
ふん、だが私たちには関係ないことだ。どうせ映像さえ押さえてしまえば、トップニュースを掴む絶好のチャンスになる。
待って。
先ほどは申し訳ありませんでした。『社会新聞』特集の現場写真を何枚か撮らせていただければ、すぐに出ていきますので。
アタシらの焼けた作品をネタにして、不安で世論を煽ってみんなを追い出そうってわけ?
そう聞こえの悪い言い方はなさらず。これは皆さんにとっても、作品が新聞やテレビで取り上げられる貴重な機会でしょう?
まさに宣伝のチャンスです。運が良ければ、一躍有名になれるかもしれませんよ。
「宣伝」? アタシらが魂を込めた作品が燃えて灰になったのを、メディアに何度も見せつけられるのが? そんな残酷なこと、許せるクリエイターなんているわけない!
魂? お言葉ですが、火事が起きる前ですらあなた方の「作品」はどこからどう見ても災いの――
お前は芸術を何も分かってねえ!
ええ、その通りです。私は一般の観客に過ぎません。ですがそんな一般人に評価をする権利はないのでしょうか?
稚拙なタッチ、お粗末な合成効果……こんなガラクタ、遊園地のお化け屋敷に置いても誰一人賞賛しないでしょう。
しかし、今は少し「価値」も出てきたかもしれませんね。
「灰もまた美しい」。あなたたちアーティストが言いそうなことでしょう。
こいつ――!
あなたに私の取材を止める権利はありません。大人しく下がってください。
なら俺には権利があるのか?
あなたが単身で消火に駆けつけたという消防士の方ですか?
実に立派な行動でした。こちら私の名刺です。もしインタビューを受けていただけるのであれば、ぜひご連絡ください。
では、通らせていただきます。
駄目だ。まだ現場の安全が保証できん。
どういうことですか?
火災後は二次災害の発生を防ぐためにも、全面的な消防点検を行う必要がある。消防局の仕事に協力してもらおうか。
……私の知る限り、消防局はコミュニティ付近への配備を行っていないはずです。消防士さん、勝手に持ち場を離れたとなれば、これは職務放棄となりますよ。
確かにダンスホールの電線はかなり老朽化しちゃいるが、スパークで焼けたんならこうも綺麗な切り口にはならん。あんたらが来たタイミングも出来すぎだな、リポーターさんよ。
チッ……
今に見ていろ。
な、なんで街灯が点いてないんでしょう……真っ暗で気味が悪いです……
クソッ、全部あの目障りな消防士のせいだ。現場の写真を撮ったらすぐずらかるぞ。
あのくだらん「芸術」の写真がばら撒かれた後も、あのチンピラどもがまだ気取っていられるか見ものだな。
しかしダンスホールはどこだ。道を間違えてないか?
赤くてどろっとした液体が……滴り落ちて……ま、まさか……
ふん、赤い絵の具で幾何学模様を描いたくらいで前衛芸術のつもりか? あのチンピラども、私に向かって芸術を知らないなどとよくも言えたものだな。
芸術とは形に囚われず、人の感情を呼び起こすものだろう。
喜び、悲しみ、怒り、恐怖……芸術を鑑賞する時、人は知らない内にあらゆる仮面を脱ぎ捨て、大きな力に引き込まれるようにその作品へ没頭する。
だが奴らのセンスでは、そのような域に到達するのは難しいだろうな。
芸術にもお詳しいとは。勉強になります。
昼間のザマをお前も見ただろう。あの芸術家気取りどもの無茶な言いがかりは、もはやちょっとした天災だ。万一奴らに捕まったら、後の事は目に見えている。
局の人間にはもう話をつけてあるから、録画データさえ送ればすぐに放送できる。それをマッテオ大尉が見れば、私たちも「恩恵」に与れるだろう。
はい!
な、何の音だ!?
この子はどうして寝てくれないんだ……もう夜も遅いし、まぶたがくっつきそうだよ。
あなた、もう少しの辛抱よ。この子は前の火事で怖い思いをしたんだから。
驚きすぎだ。親が子供をあやしてるだけじゃないか。
ダンスホールのオーナーから聞いたが、今回の火事は人為的な放火だそうだ。
そうなの? 許せないわね……見て、この子。火傷しちゃってるのよ……
子供……
おい、まさか子供にまで怖気付いてるのか?
いえ……その、街角に子供が立ってるような気がしまして……しかも……光ってる!?
どうして光ってるんですか!? 今日は月も出てないのに……!
あの子は、一体……何なんですか。どうしてこっちを見てるんですか!?
な、なにをビビっている。突っ立ってるだけじゃないか! どうせあのチンピラどもが捨てたゴミか何かだろう。
子供が……あんなに早く……走れるんですか……?
お、おい! ひとまずここを離れるぞ……
……って、あの見習いはどこ行きやがった?
ああ――なんで初仕事でこんな目に遭うんだ――
情けない奴だな……おい待て! カメラを落とすなよ!
やるな、テクノ。人形の扱いがまた上手くなったじゃないか。
上の階の画家夫婦が協力してくれたおかげだよ。ホールの火事のせいで二人が飼ってる羽獣まで被害を受けちゃって、二人ともカンカンに怒ってるんだ。
アタシらの作品はお化け屋敷の飾り以下だってさ。アーティストが本気を出したらどうなるか、目にもの見せてやろうよ。
「芸術は感情を呼び起こすもの」とかも言ってたよね。なら、「恐怖」って感情がどう生まれるかも教えてやろうじゃん。
サリバン、みんなに準備するよう伝えて。ショーはまだこれからだよ。
はぁ……はぁ……も、もう帰りたい……
火事で死んだ子供の怨念は一番強いって、父さんが言ってました。あの子はきっと俺たちに復讐しに来たんです!
バカ言うな。私たちは別に……何も悪いことはしていない……
おい、何を笑ってるんだ。気でも狂ったのか!? 住民を起こしたら写真が撮れなくなるだろう!
これは……あの子の笑い声です。きっと俺たちをどこかに連れ去るつもりなんですよ!
電線は切られたはずだよな。なら、この声はどうやって出してるんだ?
トゥリオンがエアロバイクを非常用の発電機に改造したの。
やるじゃねえか!
じゃああいつは、今夜俺たちの計画に出す新作を用意できないってことか。
ううん。新作は『全力でペダルを踏むトゥリオン』だよ。
彼が一番得意なのはパフォーマンスアートじゃん。忘れたの?
……
行き止まり……あはは、もうダメだ……
落ち着け! ただの子供騙しだ。カメラをセットしろ、何があってもマッテオ大尉から報酬を出してもらうんだ!
クソッ、痛……おい、私の陰に隠れるな!
お、俺じゃないです……
待て……後ろに誰かが……いるような……
う、うわあぁぁー! 綺麗ですうぅぅぅーーー!
ふぅん。彫刻の頭を制御する源石動力装置を風力駆動に変えたら、不安定さでかえって作品に生命力があるように見えるってわけ。
トゥリオンもやるじゃないか。あいつが漕ぐスピードを調整したおかげで、光の強さが絶妙に変化してた。
あいつ、今後も発電役を引き受けてくれるかな?
あの素人リポーターが「灰もまた美しい」って言ってたおかげで、新しいインスピレーションが湧いてきたよ。
こいつはダンスホールから回収した、煤まみれの動力装置で改造したんだ。照明演出の方にも新しい試みを加えてみた。
この彫刻で来月の展覧会に参加しようと思う。きっと会場を賑わせる作品になるぞ!
新しい試み……
サリバン、アタシが色んな音楽ジャンルに興味あるってことは知ってるよね。
ああ、だけど例のチケット代を返せるほどの金は今持ってないぞ。
そうじゃなくて……
アタシが言いたいのはさ、一緒に曲を作ってみないかってこと。
この音はどこから聞こえてくるんだ? 誰かに耳元で囁かれているのに、誰もいない!
わお、いいエフェクターじゃん。
俺たちはもうここから出られないんです……頭がおかしくなりそうだ……
そうだろ? Bメロから八小節の不協和音をよく聞いてみな。全部俺が丁寧にアレンジしたんだぜ。
助けてくれぇぇー!
しかしテクノ……お前がこんなに圧のある声を出せるなんてな!
光だ、光が見えた! やっと逃げられる。マッテオの報酬なんかもう知るか!
ふふん。ずっと前からやってみたかったんだ。
興味出てきた? 今度アタシが一番好きなベテランヘヴィメタルバンドのライブに連れてってあげる。これで次の投票は言い訳なしだからね。
ははっ、いいぜ! なら俺が曲を作る時は、ボーカルのサンプリング素材をお前にやってもらうとしよう。
任せといて。
ん? あの二人はどこ行ったんだ?
……ふぅ……ふぅ……どうし……て……ここに……あ……
……
……
なんでこいつら……気絶したんだ……?
動力を電力に変換するプロセスを実際にやるってのは……骨が折れるな……くたびれたよ……テ、テクノ!
トゥリオン、お疲れ様。
思った通り、アンタをゴールに配置したのは最後の仕上げとして完璧だったね。
トゥリオン、ちょっと怖すぎるぞ……
顔は真っ青だし、汗だくだし、まるで湖で釣り上がったばかりのお化けみたいだ……服はどうしたんだ?
へへっ……芸術のために……身を捧げたのさ……
さて、これからどうする?
うーん……悲鳴はアレだったけど、こっちの若いカメラマンはなかなかいい腕してたよね。
せっかくコミュニティのみんなでこのビッグショーを作り上げたのに、観客が二人だけじゃもったいないでしょ。
ねぇ、確かこいつら、映像を送ったらすぐに放送できるとか言ってたじゃん?
テクノ。祝勝会にも参加せずに、階段に座って何してんだ?
放送後の反響、見た?
ああ。バカバカしいとか、怖いとか、良いエンタメだとか……色んな評価があったが、これでテレビが俺たちの邪魔をすることはもうないだろうな。
だからって、これから安心してぐっすり眠れるわけじゃないよ。
この土地を狙ってる奴らはまだいっぱいいるからね。あいつらはストリートアートの価値も分かってないくせに、「生産性のない流れ者」とか言ってアタシたちを追い出そうとしてくるの。
ところで……今日の祝勝会は、ここを抜ける奴らの送別会でもあるんだよな。
芸術なんて金ばっかりかかる割に、認められるのは難しい。それで身の危険まであるときたら、ここにいるのはどんどん苦しくなっていくだろうな。
ダンスホール、いつになったら再開できるかな?
すみません、ちょっといいですか?
あなたたちって、あのテレビの深夜番組でやってたストリートアーティストさんですよね?
うん。
やった! 一緒に写真撮ってもらっていいですか? あたしも友達も、あのショートムービーがほんとに大好きなんです!
芸術の勉強をしたことはないし、そういう理論もあまり分からないです。でも、なんだか抑圧からの解放とか、自嘲みたいな感情が伝わってきて……その、変なこと言ってたらすみません……
アンタ……ほんとにアタシたちの作品が好きなの?
はい!
へえ、どの作品が一番好きなんだ?
一番は……
あれ……? 急に人だかりが……
待って。
スコアボードは融点の高い金属でできてたから、火事にも耐えられたんだ。
みんな! 投票はまだ終わってない。音楽ジャンルの投票では負けたかもだけど、作品の投票でアタシに勝てるかな?
アタシ「たち」の作品だろ。
俺たち二人のミックステープが好きだって奴は、最初と最後の番号に投票してくれ。
はいよ、お嬢さん。電動ドリルだ。
カッコいいですね。新しい体験型デバイスですか?
ああ、新しい投票のアイデアを思いついたんだ。
ちなみに、あの彫刻作品が好きなら真ん中の番号に投票してくれ。