ドッソレスホリデーDH-5・戦闘前急がば回れ
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ドッソレスホリデー DH-5・戦闘前

急がば回れ

D.D.D.

試合は絶賛進行中! 先頭集団がバイク区間手前のチェックポイントを通過したのと同時に、戦況はまたも変化を迎えているよ!

第一ラウンドで存在感を示した『龍威鼠心』は、チェックポイントを通過して自転車を漕ぎ始めるとすぐ、ほかのチームからのアツ~いおもてなしを受けてるね。

しかもこの「おもてなし」、今回はちょっと戦略を変えてきてるみたいだけど……

カンデラさん、皆に解説してもらってもいいかな~!?

カンデラ

やれやれ、見ればわかると思うがね。彼らは自分たちが総力を挙げて挑んでも、彼女たちのことは倒せないかもしれないと承知してるんだよ。そこで『龍威鼠心』の妨害に徹することにしたんだ。

これがランの区間であれば、この方法を用いたところで、簡単に距離を詰められて返り討ちに遭ってしまうだろう。だが、このバイク区間においては……自転車を漕ぎながらでは動きが取りづらい。

つまり、彼らがここで妨害行動に出たのは、それを狙ってのことなのさ。

この作戦はまったく、効果的だと言うほかないな。

D.D.D.

なーるほどね! 皆わかった? 確かに、『龍威鼠心』の近くへ彼らがぴったりつけてるよね。攻撃してくることはないけど、あの手この手で邪魔してくるから、『龍威鼠心』は走りづらそうだ!

お陰で彼女たちは、先頭集団からだいぶ後れを取っちゃってるみたいだぞ!

自転車を漕げば戦えず、降りたらレースに遅れるばかりっ! なんてこった! 『龍威鼠心』、今大会始まって以来の大ピ~ンチ!


ユーシャ

――ちっ。あいつら、私たちを妨害するのが目的みたいね。

エルネスト

困ったね、どうしようか? 自転車に乗ったまま戦うのはかなり無茶だろうし、なんとか打開しないと、このままじゃ完全に抑えられちゃうよ。

ユーシャ

(小声)誰かさんは私たちに近道をしてほしいんですって。

チェン

(小声)わかっている。かくなる上は……

(小声)――突っ込むとするか。

ユーシャ

(小声)ふっ、そうね。


D.D.D.

お~っと! ここで、ほかのチームの妨害の手を逃れるべく、『龍威鼠心』はコースを離れて近道を行くことにしたようだよ!

でもでも、ほかのステージでも見えてる通り、この近道で選手たちを待ち受けるのは――ドッソレスの誇る精鋭部隊! これは果たしてどうなるんだ~!?

いや~、オイラも皆のためにほかのチームの視点からも解説したいところなんだけど、やっぱり『龍威鼠心』からは目が離せないね!

彼女たちの選択が吉と出るか凶と出るか……エブリバディ、まばたきせずに見守ろう!


エルネスト

二人とも、こっちこっち! ほら、この路地なら見つかりにくいだろうし、きっと誰もいないと……

ユーシャ

――危ない。

エルネストが振り返った瞬間、道の角から一本の矢がまっすぐ彼に向かって飛び――しかし、ユーシャの手刀が、それを素早く弾き落とした。

伏兵A

……

伏兵B

……

エルネスト

――! ありがとう、リンさん。二人ともここは俺に任せて! 早く離れるんだ!

エルネストはそう言うと、チェンへと一つの鍵を投げた。

エルネスト

(小声)チェンさん。この鍵、持っていって。

(小声)向こうに俺の武器屋があるんだ。このまま進めば、きっとすぐわかると思う。

(小声)その武器屋の地下室に、裏口があって、地下通路に出られるようになってる。それを使えば、かなりの時間短縮になるはずだよ。

(小声)俺は、ここであの人たちを止める。だから二人は先に行ってて。

チェン

……キミ一人で大丈夫なのか?

エルネスト

まあ、一人でもゴールに辿り着けたら勝ちなんだから、なんとかなるよ。ほら、二人とも急いで!

ユーシャ

了解。行くわよ。

チェン

ああ。まずはこの場を突破しよう。