紅炎遣らう落葉 CF-5・戦闘後
猛る荒くれ者
――!
どういうことだ……?
ヤトウ、無事か?
ああ。……妙だな、この双剣……リオレウスにもダメージを与えられはしたが、そこまでの威力は出ないようだ。
私が扱いを間違えたのか……?
もう一度試してみよう。ノイルホーン、援護を頼む!
了解! ってそうだ、盾がねえんだった……! この太刀で一体どうやって――
ちょっ――と、待てっての! ああもう、今行く!
学者先生、なんか対策思いつかねえか?
急かさないでください、今調べてますからニャ!
ええとええと、このページも違いますニャ……リオレウスの弱点と攻撃パターン、ちゃんとハンターノートから書き写したのに、一体どこに行っちゃったんですかニャ?
本当に任せて大丈夫なんだろうな……!?
リオレウスがそちらへ向かった! 気を付けろ、ノイルホーン!
大丈夫、こうやって盾を――ってやべ、今は持ってねえんだ……!
左にお避けくだされニャ!
太刀とは、思い切りよく振り下ろし、練気を以て刃を御せば……刃が鞘へと戻る前に勝負を決してしまえるものじゃニャ。
この声、さっきの……うわっ!?
......
なんだこいつ……?
いわゆるオトモアイルーですニャ!
ツノを持つ異国のハンター殿、お初にお目にかかるニャ。我こそは百戦錬磨のオトモアイルーだ……ニャ。
おう、よろしく……? って、ヤトウ、気をつけろ! ブレスが来るぞ!
なあ、学者先生! アイルーってこういう頭もありなのか!?
この装備は長年共に戦ってきたハンター殿からの贈り物じゃニャ。狩りの思い出が山ほど詰まった装備であり、勇気と経験の象徴でもあるのだ……ニャ。
そんなふうには見えねえけど……!? っていうか、アイルーって戦えんのか? 学者先生は毎回逃げ回ってるだけだが……
そんな言い方やめてくださいニャ! 彼はオトモ――つまり、狩猟のサポートもこなせるアイルーなんですニャ!
オトモがハンターと狩りを共にするのは、古くからの伝統でニャ。東方のとある村では、アイルーのみならずガルクも狩りに参じると聞くが……
お前たち、喋ってないで集中しろ!
わかってるって! ええと……思い切りよく、か……
はああっ! 行くぜ! 喰らえ――
マジかよ、本当に効きやがった!
よし、今がチャンスだ!
っ……! 柏生さん、何をする! どうして私を押しのけた!?
そいつは俺の獲物だ!
お前らは引っ込んでろ!
ヤトウ! リオレウスがまた突っ込んでくるぞ!
怪物め! こっちを見ろ!
! リオレウスの対処法、見つけましたニャ!
ノートには「近接武器で戦う場合、リオレウス最大の弱点は頭部、次点で翼と尻尾」とありますニャ!
それから、一番注意すべき技は尻尾回転ですニャ! リオレウスは周囲を観察してから尻尾を振りますから、頭が傾いた方向に尻尾が来ると思ってくださいニャ!
それをかわしたあと、大きな体躯ゆえに体勢を立て直すまで少し長くかかることを利用して隙を突く、ということか? であれば、ノイルホーンと試したように……よし!
気をつけなされニャ。ワシにもそれが本当に実行できるかは判断がつかぬのニャ。このリオレウスはここへ来てからというもの、随所に異常が見られるゆえニャ……
だが、ほかに方法はない。試す価値は十分にある。攻撃役は任せてくれ。
なら、俺がその尻尾回転を引き出そう。そこのアイルー、お前は機敏だし、奴がそれを使った時にうまいことかく乱してくれねえか?
御意。必ずや、ご両人を援護しようぞ……ニャ。
あ、待てよ爺さん! また一人で突っ込んで……学者先生、爺さんのこと頼むぞ!
ニャ? どうしろって言うんですかニャ?
っしゃ、行くぞ! おらァッ!
――!
来るぞ、尻尾回転じゃニャ!
(隙は――)
(ここだ!)
待たれよ、何かおかしい――ニャ!
――!
そ、そんな……ヤトウの攻撃に気付いてるみたいですニャ!
視界には入っていないはずなのに、どうしてですかニャ……!?
まずい! 奴の周りに……源石の粉塵が!
ヤトウ! またブレスが来るぞ!
……! 危なかった……あれを喰らえば、ただでは済まないな……
これは一体どういうことですかニャ!? リオレウスがここまで恐ろしい火を噴くなんて聞いたことないですニャ!
こんなの……本には書かれてませんでしたニャ……!
っ、またヤトウのほうに――
! 違う、あいつの狙いは――
そう来なくっちゃな! お前を狩れるのは俺だけだ!
ありゃ突進じゃねえ! 尻尾回転が来るぞ!
そこを退け!
ぐあっ……!
ヤトウ!
――! 引っ込んでろって言っただろうが! どうして来た!?
私に構うな! それより、リオレウスを!
ニャ! こっちに来ますニャ!
ノイルホーン、助けてくださいニャ! ニャニャニャ~~!
慌てんな、今行くから!
オトモするニャ!
ニャアア! 避けました、掴みましたニャ! わたし、ぶ、無事ですニャ!
俺の技を喰らいな、リオレウス!
――おい先生、手を離せ!
嫌ですニャ! そんなことしたら、リオレウスに食べられちゃいますニャ!
俺を信じろ! ちゃんとキャッチしてやるから!
ニャニャ! て、手が滑ったニャ!
よし、キャッチ成功!
刀を――あれ? やべえ、抜けねえぞ!
ニャ! お二方が……!
わ、わたしたち――
うわああっ!? なんで空なんか飛んじまってんだ!?
ノイルホーン!
クソッ、この炎……!
ぼーっと見てないでリオレウスを撃ち落とすぞ!
チッ、あのバカ野郎が……!
閃光玉がなければ、どうにもならんぞ……ニャ。
くっ、諦めてたまるか! 私は――
深追いなさるニャ! 一人では到底敵わんニャ!
だが……!
今は一度退くのだニャ! ワシに提案があるのニャ!
野営地が……燃えている……
道具も全部焼かれちゃったニャ……
ワシの推測が正しければ……リオレウスは恐らく、この地にある洞窟へと帰ったはずだ……ニャ。
洞窟?
いかにもだニャ。ワシはここへ辿り着いてからずっと、リオレウスを尾行し観察していたのだが……
その結果、奴がある洞窟に入っていくのをこの目で見たのだ……ニャ。
その洞窟へ、ご両人を案内することもできるぞ……ニャ。
ほかに方法はない。よろしく頼む。
……柏生さん。あなたもリオレウスとの再戦を望むなら……
我々に同行してくれ。