火山と雲と夢色の旅路 SL-3・戦闘後
指の家族
見つけたの?
見つけた~。
羽獣が歌ってる時に見つけたよ。
今日の天気はどうだ?
悪いことが起こるまでは良い天気だよ~。
時間がない、すぐに集会を始めるぞ。
おい、来るのが遅いぞ。
……私ですか?
当たり前だ。お前が凡人たちと違うのは一目で分かるよ。
お前は俺たちのビッグプロジェクトに参加した方がいいぞ。
プロジェクト? 何をするんですか?
ここはどこですか……私はなんで、お母さんの服を着てるんでしょうか?
俺たちは、自分の一番好きなものを見つけたら、それを背負って、二度と下ろさないんだ。
そうそう。重たくて腰が曲がるけど、とても大事なんだよ~!
お前はどうして何も背負ってないんだ?
ううん、彼女は背負ってるよ~!
こんばんは、アデル。ベルの音は聞こえたかしら?
ベルの音? いいえ……でも、音が聞こえていないこともよくあるので、そのせいかもしれません……
では、あなたも私たちの集会においでなさいな。
どこで集まるんですか?
放課後を知らせるのベルの後の、世界の果てよ。
けれどその前に、あなたに見せたいものがあるの。
うーん、どうやら記憶違いじゃなさそうね。
これらの石、標本、それから赤い写真は、本当ならあなたを連れて見るべきものだったのね。
穏やかな生物は足を踏み出すと、軽やかに少女を先導した。
見て、これらの岩はもう数千年、数万年も生きているのよ。私たちがまだいない時から、とっくに地下深くに埋まっていたの。
とても美しくて、とても激しいの。地下深くでそれぞれ数百キロも隔てたところにいたけれど、最終的には一つに集まって、輝かしい噴火を迎えた。
あなたはそれが大好きでしょう?
火山のことですか? はい……
火山も、石も、どれもとても貴重な宝物で間違いないわ。
でも、私のアデル……
もし誰かがそれを使って悪いことをしたら、あなたはどうする?
悪いことって……? どんなことですか?
まあまあ素敵な集会だな♪
集会はまあまあ素敵♪
北風北風見つけたぞ♪
種よ種よどこにある♪
あぁ、そろそろパーティーが始まるわ。
アデル、あなたも岩を持って参加してみない?
早くついていきましょう。
……
どうしたの。考え事?
えーっと……すみません、私……
ちびめーちゃん……あなたはドリーさんですか?
私はドリーであり、ドリーではないわ。
私が誰かであるかは、あなたの心の中にある私の姿によるのよ。
あなたはドリーさんと、どこか違います。
ではこの子たち……みんなちびめーちゃんなんですか?
いいえ、「みんな」とは言えないわ。それぞれが唯一無二で、この世界との絆も同じく一つきりしかないの。
私たちがあなたたちを呼ぶ時、全員を「アデル」とは呼ばないのと同じようにね。
一人一人の「アデル」が、唯一無二なのよ。
分かりました。
ならあなたたちは、どうして私をここに招待したんですか?
理由は北風ね。
私たちは得た喜びを分かち合いたいの。このパーティーに参加できるメンバーは、選ばれし者なのよ。
あなたも含めてね、私のアデル。
……ここ数日、不思議なことが起き過ぎています。
不思議も生活の一部よ。
アデル、あなたは今楽しいかしら?
分かりません……
見せてみて、あなたは……
あなたは、あんまり楽しくないみたいね。
あっちを見て、あの子が証拠よ。
ちびめーちゃんたちがコンテナの上から下を見ていた。
小さなやせ細っためーちゃんが、そこに飛び乗ろうとしていた――一回、二回……しかし成功することなく、何度跳ねてもコンテナの上にたどり着くことはなかった。
うぅ……
あの子は取り残されちゃったんですか?
どうやらあの子はジャンプできないくらい体が弱いみたいね。
助けてあげることはできますか……
今はまだダメよ。
火山が噴火した時に、あの子は自分のあるべき姿になるの。
あの子も、あなたたちの一員なんですか?
そうよ、誰もが最後は私たちの一員になるの。
おはようございます、アデルさん、何か朝食を食べますか?
なんか元気なさそうっすね、コーヒーでも飲みます?
おはようございます……
昨晩はすごく長くて不思議な夢を見た気がして、とても疲れました……
ここいらじゃ、昼にたっぷりと溜め込んだ気持ちを、夜に残って夢の中でじっくり味わうってよく言うんすよ。
どんな夢だったのかあまりはっきり思い出せなくて……たしかとても騒がしい夢だったような……
本当だもん! 本当に見たんだもん!
はいはい、信じるよ。
だから夜中に勝手に部屋を出て行ったことと、こっそり海の近くの区画に近づいた二つで、アイスクリームは二ヶ月お預けだね。
あっ……
でも、昨日の夜は本当にもこもこさんが一匹あたしの部屋に入ってきて、仲間がたくさんいる場所に連れて行ったんだもん……
綿あめみたいにふかふかの生き物がいっぱいいて、コンテナの上で輪になって歌ったり跳ねたりしてたんだよ……
つまり真夜中のパーティーに招待してくれたんだね。
きっとそうだよ、だってあたしはいい子だから……
――!
辺り一面の惨状。
昨日まで、ここにはフェンツ運輸が運んだ各国の特産品がきっちりと積まれていた。
何事もなければ、それらは数日後の商品博覧会に登場し、この観光都市に外の大地の様子を伝えるはずだった。
しかし今、目の前のいたる所で棚がひっくり返り、商品が散らばっている。しかもその上にはくすんだ足跡らしきものまで見えた。
これは、一体……