青く燃ゆる心 OF-5・戦闘前
止めないで
皆様、燃え盛る太陽の如く盛り上がっていますでしょうか!?
さぁ! 黒曜石祭最大のメインイベントを迎える用意は良いでしょうか!?
本日12時より、各ショッピングモール、娯楽施設、および一部のレストランとバーにて事前イベントが開催されます。
今夏一番アツいイベントをくれぐれもお見逃しなく!
やはりこちらでしたか、お嬢様。
シュヴァルツ……
必ずこちらに来られると思っておりました。クローニン様に断られたからには、放送タワーを通じて市内全域に情報を拡散しようとすると……
ですが、それはいけません、お嬢様。そんなことをすれば市内全体に大きな混乱を招くだけです。
お嬢様は旦那様を…そして旦那様が心血を注いで作り上げた、この都市を恨んでおられるのかも知れません。だからと言って、この都市やフェスティバルを滅茶苦茶にしてもいいのですか?
わたくしの発表が大きな混乱を招くことも、多くの出来事の発端になる可能性があることは分かっております。でも、市民には真実を知る権利があるのです。
確かに旦那様の過ちは私も存じ上げております。旦那様はこの都市のためにと、好ましくないことを何度もしてきました。しかしそれがなければ、そもそもこの都市は存在していないのです。
今回はそういうことではないのです!
お嬢様、もしどうしても納得できないということであれば、この私にそれをぶつけてください。そしてお嬢様自らが取り返しのつかないことをするのは、どうかお止めください。
貴方は……貴方は、まだわたくしが、子供のワガママを言っているだけだとでも思っているの?
そのようなことはございません、お嬢様。私もお嬢様と一緒に旦那様を説得いたしますので。お約束いたします。ですから今は、私と共に戻りましょう。
シュヴァルツ……貴方のそんな言い方、聞きたくなかったわ……
旦那様との間に、多くの不愉快な行き違いがあったのは私も存じております。ですが今はどうか、大人しく家にお戻りください。
だからなんでそんな言い方をするの! まるで腫物に触るみたい! お父様との関係を良くして欲しいのは分かるけど、貴方がそんな言い方しないで!
なんで昔みたいに話してくれないの。昔はお友達みたいに何でもわたくしに言ってくれたじゃない。そうでしょう? シュヴァルツ!
……それは……今の私は……ドルクス家の召使いに過ぎぬ身分ですから……
そんな言葉を聞きたいんじゃないわ、シュヴァルツ。やめて! どうしてそんな風になったの、どうして!?
……
何を迷っているんだ? たかが小娘一人だ。さっさと捕らえたらどうだ?
――あの方はドルクス家のお嬢様です。口の利き方には気をつけてください。
……だがお前も市長閣下から全力でクローニン様の手助けをするよう言われているだろう! ヤツはデマを流してシエスタを混乱に陥れるつもりだ。それを指をくわえて見ているつもりか?
……少しは頭を使って欲しいものですね。あの方が一人だけでここに現れ、しかも目的を果たさずに、こうして問答だけをしているという状況を考えれば……
本気で放送タワーに侵入するつもりだと思いますか?
なんだと?
これ以上の議論は不要です。
お嬢様、あなたはご自身を囮に、私たちの注意をひいた……そうですね?
……わたくしの事、まだちゃんと分かっているようね。
恐縮です、お嬢様。これをご否定なさらないということであれば、やはり事実なのですね。
今頃、ロドスの皆さんは、もうシティホールに到着しているんじゃないかしら。
な、なんだと? 一体どういうことだ! シティホールの状況はどうなっている?
恐らく、あの程度の戦力ではどうにもならず、壊滅しているだろうな……
外がやけに静かだがどうした? 資材の搬出を急げと言ったばかりなのに、もう怠けているのか?
なんだ? それに先程の叫び声は、まさかまた揉め事でも? まぁいい、こちらはやるべきことを――
こんにちは。すみません、いらっしゃいますか! お荷物のお届けに上がりました!
(なに? 誰か心当たりのある者は? )
(いないだと? 変だな……)
間違いだ! ウチ宛てじゃない!
ですが荷物にはこちらに送るよう書いてありますよ?
立ち去れ! これ以上グダグダ言ってると痛い目に遭うぞ!
……
チッ、ガキか。まぁ金を騙し取りに来たってとこだろうな。
あーもういい! ドクター、危ないからどいてて。このドア蹴破るから!
えっ? 大丈夫だって! そのくらいの力ならあたしにだってあるから!
なんだぁ?
はぁッ!!
うわああ!? ドアが破られただと、くそっ、お前は一体――
ヘヘ、一回やってみたかったんだ。そしてこう言うの……
うん、コホン、はっ!
「開けろ! 宅配だ! 」
いや、もうドアは蹴破ってるし。