喧騒の掟 CB-2・戦闘前
7:15P.M.
ゲホゲホッ、みんな生きとるん?
なんとか、防ぎました——
良い反応だった。二人とも。
やれやれ、もうみんな爆弾好きすぎでしょ。ん?
——*言葉になってないペンギンの呻き声*——
(な、なんや? ボスがけったいな声出しよるんやけど!? )
(ねえ! さっきの箱に入っていたレコードって、もしかしてボスが闇市で買ってきたクルビアのレアもの? )
(ありゃ多分そやな。どないしよ、ボスが虚空を見つめて虚無の表情になっとる……ボスとはもう長い付き合いやねんけど、あんなん見たんホンマ久々やな……)
どないもこないも——って、あっ! あいつら車乗ってる! あの黒服の奴ら!
待ってください! もし奴らが初めから罠を仕掛けていたとして、どうしてぼくたちを待ち伏せしなかったんでしょう? この状況は怪しすぎます。ここは具体的な計画を立ててから奴らを追い——
テキサス!
乗れ。
……お前たち、良く聞け。
今夜のどんな違反の罰金も俺が全部出す。
奴らを俺のレコードの副葬品にしてやれや!
見えたで。前におる、あの車や!
エクシア! 俺のバディをかせ!
ラジャー! ボス!
あれは銃!? でもどうやって引き金を引くんでしょうか……
アハっ! なかなか見識があるじゃねぇか、坊主。てことで我が社の銃のプロ、解説ヨロシク!
ん~、全四十二層の段ボール板を工業用ボンドでシームレスに接着して、そして高品質ゴムバンドで駆動…ってとこかな。うん、本当に良い銃だね~。
……つまりは、おもちゃ?
要はスリングショットってやつだね。アウチッ! 違いました、平和の銃でしたー!
龍門市街では実弾の使用は許可されていない。ま、表向きのルールなんだけどよ。
毎回思うけど、ボスは変なところで律儀だ。
もし俺たちがルールを守らなかったら、龍門は銃弾の応酬になるだろうが。そんなの子供でも分かるコトだぜ? おう、テキサス、車の屋根開けろ!
了解。気をつけて。前みたいに信号に衝突しないように。
いや、俺そんなに身長あったか?
こっちも狙撃準備完了だよ。ボス~!
ま、待ってください。道路には他の車もいます。まさか直接——
奴ら撃ってきたぞ! おい、迎撃だ!
冗談言ってんじゃねぇぞ。こんな雑な運転でどうやって狙えってんだよ!
お、お前撃たれたのか!?
血がっ、血が出てる! 早く包帯を寄越せ——いや待て、これはなんだ、ゴム?
ただのゴムだと!?
こんなゴム弾でガラスを突き破ってきたのかよ! いいから早く奴らを振り切れ。あっ、痛ってぇ!
ナイスショット、ボス!
奴らに食らいつけ、テキサス!
スピード上げるよ。
ちょ待って、前にトラックがっ——おわあぁぁぁぁ——。
ええから、黙って掴まっとき。テキサスはんのドライブテクニックはハンパないでぇ。
おいエク、奴らのタイヤぶち抜け!
りょーかいっ!
ゴム弾でゴムのタイヤ撃ち抜くんですか!?
なぁに俺らにとっちゃ簡単だよ。
テキサスさん、止めなくていいんですか!?
(そっぽ向いて)……
さっき言うたやろ? 「楽しみどきを逃すな」ってな。
さぁて、盛大なスピンをしてちょーだいっと!
くそっ、やられた。ハンドルが利かねぇ。
そんなの言われなくても分かってる! 車から飛び降りろ!
ま、待ってください! こんなスピードが出ていたら、ぼくたちも巻き込まれちゃいますよ!
あ~。
はいっ、テキサス! あとよろしく!
チッ、面倒ばっかりだ。