喧騒の掟 CB-4・戦闘後
7:59P.M.
ねぇ、これ映画の撮影?
あれペンギン急便の連中じゃないか? また喧嘩?
そうだ! 左フック! そこだ! かっけーぞ!
いつもペンギン急便が勝つんだもん、つまんない。
そりゃそうだな。おい、どこから出てきた悪党かは知らないけど、無様な負け方すんなよ!
ふーっ、実弾が使えないのって本当にめんどくさいなぁ。
こんな街のド真ん中で実弾なんか使えるワケないやろ。ちゅーかエクシアはん、後ろや!
おっと、危ない危ない。サンキュ、クロワッサン。
こんなに粘られたらキリがありません! テキサスさん!
ふむ……ソラと私、エクシアとクロワッサンで二手に分かれて「大地の果て」に行く。
……えっ、なんて? 大地の……?
やった……いえ、わかりました。
おぉー、手分けして敵を分断するんだね? オッケー、あたしが一番得意なやつ!
エクシアはん、街中行くときは、ホンマ気ぃつけぇや。賠償リストがヤバいでぇ……
待ってください、いまの「大地の果て」ってどういう意味ですか?
集合は一時間後。
だからどういう意味なんですか!?
でもどうやって突破するの?
ま、手はあるから……
て、テメエ何考えてやがる!? このサンクタめ——俺は退かねぇぞ——
クロワッサン、乗って! このバイク、超イケてるっしょ!
おっしゃ、ほな行こか!
バイクを奪うのか? 良いアイデアだ……
ふむ、となるとお前か。
こっちに来るなっ、このクソ狼が——テメェ——ひぃっ——。わ、分かった。ば、バイクはやる! 顔を殴るのはやめてくれ!
よし、ソラ、早く乗れ。
わ、わかりました!
しっかり掴まっていろ。エクシアたちに後れを取るな。
も、もう少しゆっくりだと——
ならぼくは——
……
……
……
ペンギン急便の連中、このガキ置いてったのか?
ちょうどいい。ボコボコにしてやる。奴らにやられた分、コイツに払わせてやる。
もー! あの人たち一体何考えてんだよ!?
くそぉぉぉ——! 近くに何かないのか——!
あ、自転車いる? 貸してあげてもいいよ。
じ、自転車……
いいや、こだわってる暇はない! ありがとうございます!
頑張ってねー!
テメェ、ペンギン急便に手を貸すなんていい度胸じゃねぇか!?
あんたらには車があるんでしょ? 追いつけるんじゃないの?
この野郎——
止めねぇか。一般人には手を出すんじゃねぇ。さもねぇと俺らは終わりだ。
す、すみません! お前ら、アイツらを追うぞ!
フン……
へぇ、これが「バイソンの坊主を誘拐し、ペンギン急便とフェンツ運輸を対立させてエンペラーを殺す」っていう、お前の「妙案」ってやつか? 聞いて呆れるぜ。
俺らの目的は奴らに取って代わることだ。あの連中を皆殺しにする必要はねぇんだよ。お前、それぐらいの知恵も回らねぇのか。
テキサス、あれはテキサスだぞ。それとあの忌々しいラテラーノ人にフェンツ運輸の坊主、奴らがピンピンしている限り、俺らに安寧なんてねぇよ。
やるなら徹底的にやるしかねぇんだよ。
ふざけんな、それやったら目立ちすぎるんだよ。奴らを狙ってるのは俺らだけじゃねぇんだぞ。
ハッ! いまさらビビってんのか?
頭を使う必要があるって言ってんだよ。この馬鹿が。
鼠王に頭下げて媚びへつらうのはもう限界だ、この腰抜け野郎が。テメェ、やっぱりこの龍門での数年ですっかり臆病になりやがったな。
テメェがファミリーへ貢献してなかったら、とっくの昔にオサラバだぜ。
いい加減にしろや。今の俺らはお互いにやることあんだろ。煽りたいんだったら後にしろ。
違ぇねぇ。俺は俺のやり方でペンギン急便とケリつけてやる。
人を殺して解決できりゃあ、ここで揉める必要もねぇからな。そうだろ?
……もう好きにしろ。だが、最後にもう一度だけ警告しておく。ここは龍門だ。シラクーザじゃねぇ。
ああそうだ。だがシラクーザでの失敗で悟ったんだよ。「どんな些細なチャンスだって逃しちゃなんねぇ」ってな。手段なんか選ばずに敵をブチ倒していくしかねぇ。
譲歩して交渉して……そんなもんは結局罠にハマるだけなんだよ。
俺らシチリア人には、「伝統的な解決法」ってもんがあんだろ。
……
そうさ。ファミリーに腰抜けはいらねぇ。……馬鹿もな。
チーム一つ出して、スラムに鼠王を探しに行け。取引の内容を変更するんだ。
カポネさん。もし鼠王の説得に失敗したら……
フン、俺らがもし本当に龍門での地盤を固めたいのなら、いつまでもあのネズミを頭の上でのさばらせるワケにいかねぇだろうが。
奴は遅かれ早かれ俺らが牽制しなきゃなんねぇ相手だ。
今はこの名簿を頼りに一人一人当たって行け。全員鼠王と接触がある龍門の連中だ。
承知しました。
俺らに残された時間なんてもう多くねぇんだよ。今夜は必ず成果を挙げる必要がある。一分一秒でも早くな。
俺が龍門にいたこの数年で何もしていなかっただと……?
違うな。ガンビーノ・リッチ。それは大きな間違いだぜ。