暗黒時代・上 0-4・戦闘前
混戦
Ace!
よう、全員無事らしいな。
まあな。だが、お前とは合流地点で落ち合う手はずだろう。なぜここへ? それに、単独行動とは――
いたぞ! 中枢区画から逃げた連中だ!
チッ……まったく、しつこい追手だな!
E2小隊、迎撃準備を――
待て、ドーベルマン! やり合うな、撤退を優先しろ!
――アーミヤ、Dr.! 行くぞ!
! 確かに……この場で戦ってもどうにもならん、か。
ああ。今はとにかく、合流地点へ急いだほうがいい。
そうだな。……ところで、Ace。隊員たちはどうした?
――奴らめ、どこへ行った……? この辺りにいるのは間違いないんだ、探せ!
ッ、向こうからも追手が……今度は回避しきれんな。
やれやれ、仕方ないか。――こうなったら……
ドクター、指示をくれ。昔みたいにな。
......?
あっ、ええと……Aceさん。
実は少しだけ、想定と違う状況になっていまして……
ドクターは……以前の記憶を、失ってしまったようなんです。
……記憶を……? ……それじゃあまさか、何も覚えてないっていうのか?
はい、そう聞きました。……ですから……すみません。今は、これまで通りにはいかないこともあると思います。
…………そう、か。……まあ、お前さんが謝ることじゃあないさ。
……一旦、話を戻そう。記憶喪失にも色々あるらしいが……指揮能力への影響は?
……ないようです。
以前と同じく、ドクターの指揮は確かなものですから。私が保証します。
よし。だったら問題ない。これまで通り、ドクターの指示に従うとしよう。
――失くしたものは、いずれ取り戻していけばいいさ。
今はそれより、目の前の問題を片付けなくちゃならんしな。
見つけたぞ、奴らはここだ! 急げ、手早く仕留めろ!
……悪いが、話はそこまでだ。構えろ、戦いは始まっている!
だとよ。――じゃあ、Dr.。命令を。
野獣を放て! あいつらに肉を裂かれる苦しみを味わわせてやれ!
――ドクター、Ace! 来るぞ!
——
了解。
――E3小隊! ドーベルマンの支援に回れ!
なっ……伏兵か!?
なるほど……隊員の姿がなかったのは、敵を挟撃するためというわけか。
理由はそれだけでもないがな。――通信妨害を受けている以上、隊員たちを合流地点の近くに待機させておくべきだと思ったのさ。そうすりゃ、俺や偵察要員に何かが起きたとしても……
撤退作戦の遂行には支障が出ない。そう判断したわけだ。
つまり、お前は小隊を待機させた上で、単独行動を取っていたのか……
そりゃあ、俺たちE3小隊の最重要任務は、合流地点周辺の安全確保だからな。
それを放棄して、お前たちの状況を確認しに行くってのはリスクが大きい。となると、全員で動くことはできんだろう?
俺たちは戦況を有利に運ぶために来たわけで、間違っても足を引っ張りにきたわけじゃあないからな。
はぁ……わかった。この件は、敵を片付けてからゆっくり話すとしよう。
はいはい。――さてと、アーミヤ。準備はいいか?
もちろんです! ドクターのサポートも、アーツでの援護も、任せてください!
ああ、頼りにしてるからな。……それじゃあ、行こうか。
ロドスの指揮は任せたぞ、Dr.。