暗黒時代・下 1-1・戦闘前
孤島
なんだか、空がますます暗くなってきたような……き、気のせい、ですかね……?
……「気のせい」であればよかったんだがな。
恐らく、我々に残された時間は多くない。
天災をもたらすだろうあの雲は……刻一刻とより重く、黒々としたものへと変容しつつあるからな。
こうして雲が集まり、形を為していくのが、肉眼でも確認できるとなると……かなりまずい兆候だ。
その上、今から向かう繁華街のほうに、レユニオンが潜伏している可能性も……
……いや。もはや「潜伏」どころの騒ぎではない、か。
ああ。大方、「街中に溢れかえっている」とでもいうべき状況だろうな。
そうですね……あの人たちときたら、そこら中を壊し回っては、略奪を繰り返しているようですし。ここまで来る間にも、車やお店が燃えているのを何度見てきたことか……
……レユニオンの人からすれば、今日は「最高のピクニック日和」なんでしょうね。
「ピクニック日和」……? ふふっ、あの連中は一体何を考えているんだ? この状況でピクニックなどしようものなら、天災ですべて台無しにされてしまうだろうに。
その程度のことすら理解できんとは……奴らはよほど頭の足りない野蛮人揃いというわけか。
……
……ふ、ふふっ。
あっ、ええと……これはあくまで冗談で……ふふっ……
ちょ、ちょっと皮肉で言ってみただけなんです……!
……なんと。冗談だったのか。
てっきり私は、レユニオンについての分析だとばかり……
……いやはや……
すまない。私はどうも、頭が固いようで……
い、いえいえ、お気になさらず……!
こちらこそ、笑ってしまってすみません……!
こんな大変な時なのに、私ったら……
大丈夫ですよ。私も笑ってしまいましたし……
みなさんには、なるべく笑顔でいてほしいと思っていますから。
そもそも、ロドスを立ち上げたのは、みなさんの涙を見るためではありませんしね。
……アーミヤさん……
ですから、どうかお気になさらず。
……さて、そろそろ偵察に行ってくる。小隊員は私に続け。
四時方向の敵には、我々のほうで対処するとしよう。
爆音を放つアーツの使い手にでも出くわさなければ、まず問題は起こるまい。
了解。であれば、逆方向の連中は俺たちが引き受けよう。
こっちで騒ぎを起こしておけば、お前たちも動きやすくなるだろうしな。
ああ、助かる。――では行くか。総員、行動開始だ!