悪兆渦流13-4・戦闘前傭兵の一日
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ウルサス炎カジミエーシュクルビアボリバルリターニアヴィクトリアイェラグカズデルシラクーザレム・ビリトンサルゴンミノスラテラーノシエスタイベリア
ウルサスカジミエーシュクルビアリターニアヴィクトリアイェラグシラクーザサルゴンミノスラテラーノシエスタイベリア

名前

悪兆渦流 13-4・戦闘前

傭兵の一日

実を言うと、ヴィクトリアに来てから俺の執筆作業は滞っている。

……まだ傭兵だった頃、俺は空き時間のほとんどを本の執筆に費やしていた。一冊書き終われば、また次の一冊に移った。当時は書きたいことが山ほどあったからな。

しかし軍事委員会に入ってから、それらのノートを開かなくなってずいぶん経つ。

俺はより立派に見える地位と権限を手にした。指揮する部隊はもはや傭兵小隊の一つや二つに留まらず、今や俺の目の前には戦場全体の地形図が広げられている。

だが俺は、自分が書き記す内容にどんどん嫌気がさしてきた。

かつてはこう考えていたこともある。記録者にとって最も重要な品性とは、己の記述に忠実であることだと。

だが段々と気づき始めてきたんだ。これらの本に書かれた内容が、寄せては返す波の反響にも似たものに……繰り返される悲劇の再現と同じものに成り果てているということに。

俺がこの身をもって味わったことなのに、この魂で感じたことなのに、どうしてこれらを……こんな漠然とした文字と結論へ変えねばならないのか。

こんなことは、もうたくさんだ。


あれはいつのことだったか?

確か、去年の九月……例年よりやけに長かった夏のことだ。

ヘドリー

将軍、市長が死んだ。

マンフレッド

その剣、血が付いたままだな。

軍事委員会の剣が、傭兵の剣と同様に、扱いやすいものだとよいのだが。

ヘドリー

武器である限り、そこに大した違いなんてない。

確かあの時、彼は俺を一瞥したはずだ。

だがその真意は分からなかった。

ヘドリー

……了解。

傭兵から連絡があった。摂政王の暗殺計画に関与した十四名の議員が逮捕されたそうだ。

マンフレッド

他の議員たちはどんな態度を取っている?

ヘドリー

何も。

マンフレッド

君ならもっと直接的なやり方を取ると思っていたが。

ヘドリー

軍事委員会が望むのなら、直ちに全議員の処刑を執行しよう。

マンフレッド

いや、今の状況では、これで充分だ。飛空船の建造がまだ完成していない以上、我々には今しばらくの辛抱がいる。

君の部下たちを撤退させなさい。ナハツェーラーの王の軍団が到着した。

ヘドリー

……軍団?

俺の声は微かに震えていた。ナハツェーラーの軍団。

その名は、俺が過去の戦争で出会ってきた「軍事力」の大部分とはかけ離れた存在だ。

ヘドリー

いつ到着したんだ? 一体どうやって?

カズデルからの部隊であれば、どの方角からヴィクトリアに入ろうと必ず大公爵の領地を通過することになる。どう隠蔽しようと、それほどの大部隊であれば――

マンフレッド

王はすでにロンディニウム近郊に到着しており、再編された彼直属の王庭軍もすでに都市の外に駐屯している。

ヘドリー

……

分かった。傭兵たちに撤退命令を出すとしよう。

マンフレッド

あのレト中佐なる男もすでにテレシス殿下と話を付けた。今後、彼と彼の都市防衛軍はロンディニウムのあらゆる行政を引き継ぐことになる。

ロンディニウムは都市防衛軍を主体とした半軍事的管轄下に置かれることになる。表向きは、「駐屯軍の反乱」を理由にな。

ヘドリー

それでは大公爵たちの目はごまかせまい。奴らが都市内に敷いた情報網はかなり広がってきている。今後数ヶ月以内には兵力動員を開始するだろう。

マンフレッド

そこまで時間はかからないだろう。一番早い部隊なら、二十日以内にはロンディニウムの城壁の下に現れる可能性が高いと思う。

だが心配は無用だ。真っ先に到着するのが誰であれ、軽率に手出しはしないだろう。

単独での進軍を敢行しようとする公爵は、他のすべての者にとって共通の敵となるからだ。ちょうど二年前に失敗に終わった、ウィンダミア公爵の急襲のようにな。

彼女の高速軍艦は自らの身内の妨害を受け、駐屯地を出ることすら叶わなかったのだからな。バカげた話だ。

ヘドリー

ウィンダミア公爵は……勘の鋭い人だ。彼女は摂政王がヴィクトリアと接触したばかりの頃から、ずっと議会に警告し続けていた。

マンフレッド

我らをロンディニウムに引き入れたのはキャヴェンディッシュ一人ではないのだよ。どの公爵も殿下に「従順な軍事力」を期待し、難題の処理に力を貸してもらおうと望んでいたからね。

分かるかな? あのウィンダミア公爵とて例外ではないんだ。辣腕の軍人としての身分の裏では、相も変わらず王侯貴族たちのゲームルールに従っているということだよ。

彼女はただ、誰よりも急いで我らを道具箱へとしまおうとしているというだけだ。

ヘドリー

……ヴィクトリアが誇るかの蒸気騎士は、もう存在しないと聞いている。

マンフレッド

君は情報収集が得意なようだな、ヘドリー。それは軍人としてはあまり好ましい素質とは言えない。

ヘドリー

将軍、俺は傭兵だ。

摂政王と軍事委員会の計画は想像以上に上手くいった。まさかサルカズが、本当にヴィクトリアの首都に足場を築き上げるとはな。

公爵たちは異分子弾圧のために切り捨てられる部隊を欲している。議会も同様に「適切な」防衛人員の調達が急務だ。あの愚かな公爵二人のような軍事的リスクを冒す輩を二度と出さないためにも。

彼らにとっては、内戦を終えたばかりのサルカズなどまさにうってつけだったわけだ。袋を開ければすぐに食えるし、用済みになったら捨てればいい。

今や工業区も、議会も俺たちの支配下にあり、ザ・シャードまでをもじきに手中に収めんとしている。摂政王は本当にロンディニウムを手に入れたんだ。

だが俺たちにはこの都市を移動させることはできない。

紛争をけしかけることはできるさ、だがその後は? ロンディニウムと共に、他国の連合軍にこの地に埋められるのを待つだけか?

軍事委員会の計画とは一体なんなんだ?

少し過激な物言いだということは分かっている。だがあまりおとなしくしすぎても、かえって疑いを招いてしまうだろう。

しかしマンフレッドはそもそも俺を見ていなかった。彼は……一冊の本をめくっていた。

名もなき本を。

マンフレッド

傭兵というのはそこまで知りたがりなのかな、ヘドリー? 私は少し君を優遇しすぎたか?

ヘドリー

俺はただ、任務の目的が何なのかを知る必要があるだけだ。

マンフレッド

私の知る傭兵は、どこの雇い主の方が気前がいいのかを聞きたがったり、どうやってサンクタのキャラバンを略奪するかについて思考を巡らせるものだったがね。

ヘドリー

……個人的な習慣は人それぞれってだけだろう。

マンフレッド

「個人的な習慣」か。

目の前にいる軍事委員会の将軍は視線を本から移した。聞くところによれば、彼のここでの地位はその階級だけが理由ではなく、テレシスとの関係が特別だからだという。

それはつまり、とりわけ慎重にならねばならないことを意味する。

俺は少し頭を下げることで、十分な尊重と謙遜の態度が見えるように精一杯表した。

マンフレッド

目の調子はどうだ?

ヘドリー

……剣を振るう際の距離判断に多少影響はあるが、なるべく早く克服してみせる。

マンフレッド

君の尋問記録は見せてもらった。刺客のイネスという女性は、傭兵でもあるそうだね。

ヘドリー

イネスのようなサルカズが、まさか議会に買収されて摂政王の暗殺を企むとは予想もしていなかった。

マンフレッド

イネスは死に、君はそのために片目を失った。君は軍事委員会の表彰を得ることになるだろう。

ヘドリー

そんなもの俺には必要ない。

マンフレッド

では報酬を受け取りなさい。一人の傭兵らしく。

何と言っても、君はイネス、それからあのWと呼ばれる狂人と三人で傭兵小隊を率いて長いこと活動してきたのだから。スカーモールの老いたサルカズも君のことを高く評価していたよ。

ヘドリー

……

マンフレッド

君は思い切りよく、手を下した。

ヘドリー

傭兵はこういう生き方しかできないんだ。生きるためなら、俺たちは何でもする。

マンフレッド

同僚を殺すことすらも?

ヘドリー

ああ。

マンフレッド

では君は、いつの日か私も殺しに来るのだろうね?

ヘドリー

……

マンフレッド

君はさっき、軍事委員会は一体何を計画しているのかと聞いたな?

我々はただ、戦争を勃発させるところまでしか計画していない。その後に何が起こるかは……あの兄妹の計画だ。

この地は怨嗟の中心だ。ここもまた、怨嗟に埋もれることになるだろう。

君の書くそれらのノートと同様に、そして我々が経験してきたあらゆる戦争と同様にね。

ヘドリー

あなたは……

マンフレッド

気にするな。執筆を続けたまえ。

重大な任務だ。君は責任を背負うことになる。


軍事委員会のロンディニウムにおける責務は果たされた。今後ひとたびザ・シャードが起動してしまえば、戦争の嵐は止めようもなくなるだろう。

では、テレシスはこれ以上何をしようとしているのだろう?

俺たちにこれ以上何ができるのだろう?


イネス

ノートは書き終わった?

ヘドリー

いや、何も書いてはいない。

この剣を磨き直していただけだ。傭兵の大剣など……長らく使っていなかったからな。

W

あんたってほんと冷たい男ね。

ヘドリー

欲しいのならくれてやっても構わないが。

W

剣のこと? そんな効率悪い武器、興味ないわ。

イネス

はぁ……髪の手入れなんてする余裕がまだあったとはね。

まあ確かにね。これからはロンディニウムにいた頃みたいに、毎日トリートメントなんてする時間もなくなるでしょうし。

ヘドリー

こうした方が楽というだけだ。

イネス

あの服も残しておくべきよ。そうすれば、将軍から重用される傭兵のリーダーをこれからも演じ続けられるんじゃないかしら?

W

軍隊の連中はなんて言ってたかしら? 服従こそが使命?

ヘドリー

傭兵の使命は報酬を得ることだ。弔慰金をもらうことじゃない。二人とも無駄話はその辺にしておけ。

ここが防衛線偵察エリアの穴か?

W

戦争が始まる前までは、そうだったわ。

今は……奴らも全員進軍し始めてる。たとえ公爵間の仲がどれだけ悪かったとしても、いずれ手を組んでここの戦線を包囲するわ。

例の奴がここを通るって話は確かなの? ここからはザ・シャードが打ち出した天災雲がよーく見えるけど。

ヘドリー

天災が着弾するのはウェリントン公爵とナハツェーラーの王の交戦地点だ。鉄公爵はおそらく戦線を縮小させるだろう。

ウィンダミアに関しては、娘を移動要塞に送り返すまでは、自身の兵力を即座に展開するだけの余力はないと思われる。

件の人物がロンディニウムを離れるとなれば、残された道はそう多くない。

イネス

待って。来たわ。

かなり速い影ね。これは……なんだか、多角形の……糸玉みたいだわ。

W

多角形の糸玉?

イネス

全体的には多角形だけど、かなり不規則な形をしてるわね。

アーツよ。おそらく肉眼で捉えるのは不可能だわ。じゃなきゃ奴もここまで来れないでしょうし。

ヘドリー

目標確認。多少荒っぽくやらざるを得んな。

W――

俺が振り返った時には、Wはもういなくなっていた。

直後、耳をつんざく爆発音が轟く。

ヘドリー

はぁ……追うぞ!


立ち込める砂埃が辺り一帯を覆い尽くしている。しかし巫術で動く乗り物や、奇妙な飛行ユニットの類は見当たらなかった。

Wめ、相変わらず手加減を知らん奴だ。もし本当にリッチを傷つけでもしたら……

俺は砂埃を払った。その時ふと、何かに触れたように感じた。

これは何だ? 糸?

複雑に入り乱れる糸が、虚空から垂れ下がり、また虚空へ繋がっている。

???

……傭兵?

ちょうどいいところへ来ましたわね。どうぞ、追いかけてきてくださいな。

不思議な感覚はちょうどこの辺りのはずです。

彼女の影が一瞬の間に消え去り、糸が辺りに霧散した。俺は全力で手を伸ばしたが、掴めたのはただ灰と塵だけだった。

イネス

逃げられたの? だから言ったのに、爆弾程度ではリッチはやられないって。

ヘドリー

いや、まだ近くにいる。

追いかけなくては。


イネス

まずいわね。さっきはこんなエリアには来なかったのに。

……ここのもの、どれも影がないわ。幻覚かしら?

W

大柄な奴の集団がいるみたいよ。ほら、そこの山の下。

……ずいぶん大袈裟な剣を持ってるわね。あんなのどうやったら振れるのかしら?

山?

この辺りは一面平原ではないのか?

俺はWの視線を追って下に目を向ける。霧が徐々に晴れてきて、景色がはっきりと見えてきた。

俺はごくりと唾を飲んだ。

戦場でのことすら、すべて頭から吹き飛んだ。


サルカズの旅人?

(古代サルカズ語)あの灰色の都市は目の前だ、あとひと踏ん張りだぞ。

(古代サルカズ語)あそこなら俺たちを受け入れてくれる。土石の子らが哀愁の地にすでに城壁を築き上げているんだ。

(古代サルカズ語)カズデル。この言葉の響き一つ一つが苦難に満ちた旅だ。

(古代サルカズ語)それはどこにあるんだろう? 俺たちはそれを求めて、夢から離れこの地までやってきた。

(古代サルカズ語)流浪の時代はもう終焉を迎えた――

W

あいつら、なに話してるの?

ヘドリー

……とても古いサルカズの方言だ。

「哀愁の地」、「灰色の城壁」。他はよく聞き取れなかった。文脈から推測するしかないな。

W

あいつらもカズデルの話をしてるみたいね。どのカズデルのことかしら?

サルカズの旅人?

(古代サルカズ語)譴罰氏族の炎魔バロルサッカに「遊侠領主」クイロンが俺たちを出迎えてくれるだろう。

(古代サルカズ語)ああ、それとそこには彼もいたな……

(古代サルカズ語)「魔王」、ゴルドル――

ヘドリー

――

挙げられた名前は、あまりに馴染みがあるものだった。彼らの伝説はほとんどそらで言えるほどよく覚えている。

俺が初めて読んだサルカズ文字の本にも彼らの物語が書かれていた。幾度となく写本化されてきたその史詩は、今でもカズデルのスラム街で広く伝わっている。

???

その影たちが語っているのは、カズデルと呼ばれるに値する都市の中でも二つ目に築き上げられたものについてですわ。

最初のカズデルが神民と先民たちによって壊滅させられた後、千年もの間、カズデルは垣根と茅葺きを積み上げただけのごく小さな集落に過ぎませんでした。

脆弱で壊れやすく、植民者の意志によって幾度となく蹂躙され、サルカズたちも次々に亡命していきました。

そしてこの時代に、また力を蓄えたサルカズは再び……真の都市を築き上げたのですわ。

彼らは今やクルビアと呼ばれる辺りの荒野を離れ、テラの中心地へ足を運びました。そのために生き、死んでいったのです。

それから……裏切りが起こり、再び東への旅が始まりました。やがていくらも歩かぬ内に、蒼き怒火が再びの裏切りに遭ったのです。

それ以来、サルカズの歴史はまるで呪いを受けたかのようですわ。

歴史の流れはいつまでも渦を巻き続けるものです。絶えず破滅と再建を繰り返し続けてきた都市は、今日に至るまでなおもその付近にあったのです。

そして彼らが口にしたのは、その都市に君臨した最初の魔王たちの名ですのよ。

エルマンガルド

七千年前の、魔王たちのね。

このリッチはいつ俺たちの前に現れた? なぜそういう能力を持っているんだ?

俺は剣を胸の前で構えた。

リッチは手を掲げた。

エルマンガルド

あなた方――

どうやってこんなものを顕現させたのです?

ヘドリー

……

エルマンガルド

この時代のカズデルが持つ歴史的意義や後世への影響を鑑みれば、これらの魔王たちの伝説は確かに広く伝わっていると言えますわ。

ですがこの流れ者たちは一体どうやって? 私たちですら持ってはおりませんのよ。ここまで細かい……その、記述をね。

こんなもの、巫術ですら断じてあり得ませんわ……どんなアーツだろうと、これほどの効果は実現し得ませんもの。うーん、何とも言えませんけど、少なくとも歴史学者でなければ不可能です。

もしや、物理的な方法を用いたのかしら? 霧を利用したプロジェクターとか? あの兄妹、いつからこんな技術を持っていたの? 隠し事とは好ましくありませんわね!

うーん……それも違うわね。この光景は記述にある真相にあまりに近すぎますわ。技術的な手段だとしても、資料は一体どこから……

ということは、やはり何らかのアーツなのかしら……

彼女の手が空中でかすかに揺れ動いている。どうやら何かを感じ取りながら、目の前の光景の分析に耽っているようだ。

エルマンガルド

しかしどの既知のアーツの範疇にも収まりません……アーツでない可能性すら濃厚なくらいです。

不思議ですね――もしや巨獣かしら? いや、ヴィクトリアが巨獣を手懐けて参戦させるつもりなら、とっくに手を打っているはず……

W

この女、なにやってるの?

エルマンガルド

どうやらあなた方のアーツによるものではないようですわね。

何のひねりもなく、単に私のお気に入りのキューブちゃんを爆破しただけの方々ですか。あの中はすごく快適だったんですけれど。

ヘドリー

リッチの王庭のトランスポーター、エルマンガルド女史。このようなやり方で接触したこと、謹んで詫びよう。

エルマンガルド

……あなた方、リッチに何か誤解があるんじゃないかしら。私はそこまでお年寄りではありませんのよ。そう恭しい態度を取らなくても結構ですわ。

ヘドリー

つまり、あなたのアーツというわけでもないようだ。

エルマンガルド

七千年前の流れ者を顕現させるなんて才能は持ち合わせておりませんわ。

うーん……アーツで刺激してみたらどうなるかしら? そう、一番基本的な、ごく普通の小さなエネルギーで……


狂風が巻き起こった。

眼前の光景が潮のように引いていく。歪んだ景色が、あっさりと元の姿に戻った。

すると突如、血の色を帯びた巨岩が全員の目の前に現れた。


イネス

……これは?

このエリアなら三日前に確認したけど、その時はこんなものなかったわ。

あなたたち……ちょっと、ヘドリー、W、どうかしたの?

イネスに何事もなくて幸いだった。

俺の血は今、煮えたぎっていた。