起死回生 3-1・戦闘前
合流
そちらも、問題発生か。
何が起きたんですか? チェン隊長。
レユニオンの待ち伏せに遭った。
援軍を足止めされ、火力で押されて陣形を崩されたんだ。
では、ミーシャさんは……
赤い服の女にさらわれた。
私は、本当なら――
……?
……いや、なんでもない。
――
チェン隊長。これ以上隠し立てをされると、私たちの協力関係にも悪影響を及ぼしかねません。
やはり、聞かせていただけないでしょうか。ミーシャさんに、どんな秘密があるのかを。
それを伝える義務はない。
ですが、我々ロドスには、任務に際して対象を理解し、適切な戦略を立てる義務があります。
確かに、情報があろうとなかろうと、近衛局の指示に従って行動することに変わりはありませんが――
感染者の力を以て、感染者に対抗するというのも、それなりの情報があってこそできることなんです。
現状、近衛局は情報を持ってはいるものの、感染者相手にどう戦えば損害を減らせるかはご存知ないことでしょう。
一方ロドスは、感染者に対抗できる実力はありますが、レユニオンの目的すらも把握できていない状態なんです。
――
その物言い、どこかあの医者に似ているな。
そ、そうですか……?
であれば、恐らくそれは……
今お話ししたことが、お互いにとって重要なことだからこそでしょうね。
……いいだろう。
あっ、もしウェイさんへのご相談が必要であれば――
――我々がミーシャ関連の情報を調査した結果、彼女の父親がチェルノボーグの要人であることが判明した。
ミーシャさんの、お父さんが……?
そうだ。とはいえ、彼女自身がどれほどチェルノボーグ関係の情報を知りえているかは未知数だがな。
ミーシャは何ひとつ知らないのかもしれないし、多くを知っているのかもしれない。
それを把握している人間は、誰一人としていない――
――彼女本人を除けば、な。
さらに言うと、彼女が何かを知っていたとしても、その内容については、こちらでは見当もつかん。
だが、レユニオンの次の標的が龍門であると思われる以上――
それがどんなものであろうと、奴らにチェルノボーグ関係の何かを利用されることは阻止せねばならない。
レユニオンにミーシャを奪われるわけにはいかなかった理由は、そこにあるというわけだ。
まあ、そうは言っても、実際にキミが彼女を見つけるまでは――
「そうした素性の感染者が、避難民に紛れて龍門に入ったらしい」という情報も含めて、真偽不明の状況だったのだがな。
なるほど。そういうことなら、すぐに動くべきですね。
レユニオンがチェルノボーグへ引き揚げてしまう前に、ミーシャさんを救出しなければ!
ロドスの皆さん、急ぎ出発の準備をしてください!
待て。もとより、あの感染者の捜索は近衛局の任務だ。
――その上、彼女をレユニオンに奪われたことは、我々の落ち度でもある。
そこでロドスには、共同での追跡に当たるよりも、近辺のレユニオンを排除し、脅威を取り除くことに注力してもらいたい。
これは命令だ。
――わかりました。
よろしく頼む。
や、やめろ! なな、殴ったりしないでくれっ……
貴様――龍門に足を踏み入れる前に、こうした未来を少しでも想像しなかったのか!
うわああっ!
全員拘束しろ!
ここにいる奴らは違う……
チッ……こいつらでもないな。
あの連中、逃げ足が速すぎますね……
見たところ、レユニオンにも階級制度があるらしいな。
今残っている連中は、時間稼ぎ用の捨て駒ばかりだろう。
しかし、こちらの援軍がたった一人のレユニオンに足止めされたということは……
やはり、もしかすると……
隊長! あそこに、レユニオンの姿があります!
了解、ついてこい!
――!
お気をつけください!
伏兵です!
し、死にやがれっ!
私を――煩わせるなッ!
隊長! この辺りはまだ龍門領内なんですよ!
周りの設備にも使い道があるかもしれませんし、あんまり壊しすぎないでください!
ええい、やかましい!
そう仰らず! せめてそこら中を細切れにするのだけはご勘弁を!
く、クソッ……
なんて手強い女だ……!
――「手強い」、だと?
何を今更……馬鹿な連中め。
――まさか、この龍門が――
貴様らの暴挙を、そうやすやすと許すような場所だとでも思っていたのか!?
――総員、進め!