快刀乱麻 5-3・戦闘前
名も無き義人
a.m. 11:11 天気/小雨
龍門中層エリア 三窓仔 モクカ倉庫外
ホシグマ
あらかた偵察は完了しました。倉庫の周りには人っ子一人見当たりません。こちらの観測ポイントも発見されていないはずです。
チェン
倉庫周辺には山積みの建材に荒れ果てた建築現場か。引きずった痕跡がはっきりと残っているな。恐らく意図的に配置されたものだ。
レユニオンの伏兵がいるとみて間違いないだろう。
ホシグマ
チェン隊長、探しているのは諜報員ですね。ファーという。
チェン
……そうだ。やはり聞こえていたのか。
ホシグマ
極力聞かないようにはしていましたが……
少なくとも十年来の知り合いです。声を聞けば嫌でもわかります。
いつ彼を諜報員に仕立て上げたんですか?
彼が感染者になったのは一年前、そして経営していたバーからも忽然と姿を消した。毎日綺麗に磨いていたグラスは、今ではホコリを被っています。
チェン
それよりも前になるかもしれん。
ホシグマ
少なくともこの情報は、小官に伝えていただきたかった……
チェン
雨が降りそうだ。すぐに一斉捜索を行う、敵を引きずり出すぞ。
ホシグマ
――それだと……
間に合いません。なんとか彼が力尽きる前に……
小官が敵の注意を引き、レユニオン全員を引っ張り出します。それをチェン隊長たちが包囲して撃破してください。
チェン
危険過ぎる。
ホシグマ
これが一番早い方法です。今回は小官を信じてください。
チェン
いつもお前のことは信じているさ……
……各位、ホシグマ言った通りに動け!
近衛局員
はっ!
チェン
よし、いいぞ。ホシグマ、行け!
ホシグマ
了解しました。三分ください。敵が隠れていそうなところは片っ端から破壊して引きずり出してご覧にいれます。
チェン
いくらお前でも三分とはまた無茶なことを……
危険と判断したら、すぐに我々も加勢に入るからな。
ホシグマ
問題ありません。三分間そちらで見ていてください。
チェン
分かった…三分だけだぞ。
ホシグマ
では行きます。