孤島激震MB-6・戦闘前計画の制定
フォントファミリー

フォントサイズ

⌘/Ctrl+
拡大
⌘/Ctrl−
縮小

地図

ウルサスサーミカジミエーシュクルビアボリバルリターニアヴィクトリアイェラグシラクーザサルゴンミノスラテラーノシエスタ
ウルサスサーミカジミエーシュクルビアボリバルヴィクトリアイェラグサルゴンミノスシエスタ

名前

孤島激震 MB-6・戦闘前

計画の制定

ミュルジス

なるほど……サイレンスさんが、そう単純じゃないって言った理由がわかったわ。

どうやら彼女はジェッセルトンに説得され、スパイとして脱獄チームに加わったのね。

サイレンス

ええ。

ミュルジス

……正直、もう驚くような話はないと思ってたわ。甘かったわね。

ロビンさんにそんな過去があったなんて、さすがにあたしの情報にすらなかったわ。

それにジェッセルトン。噂には聞いてたけど、予想以上に厄介ね……

サイレンス

彼を知ってるの?

ミュルジス

ええ。

彼は、ビーチブレラ社の有能なエージェントの一人よ。金さえあれば動く、ハイドブラザーズの今回最大の切り札。

品があると評判だけど、それ以上に嫌味な奴だと言う人が多いわ。

普通の殺し屋かと思ってたけど、まさか頭も切れるなんてね。

彼がハイドブラザーズの切り札だということだけは知ってたけど、このタイミングで大胆にも姿を現すとは思わなかったわ。

一見ロビンさんに選択肢を与えたように見えるけど、実際には選択の余地などないわ。

確かに彼は、アンソニーさんが持っていないロビンさんの境遇に関する情報を掌握していたようね。

それに、アンソニーさんに気づかれないよう、彼をずっと観察していた。なら主導権は彼の方にあるわ。

もしあたしがこんな局面に遭遇したら、感情的にも道理的にも、彼に協力することを選ぶでしょうね。

サイレンス

……確かに。

ミュルジス

あら、てっきりサイレンスさんは反対意見かと思ったわ。

サイレンス

……彼の考えに同意できない部分はあるし、彼みたいな人は嫌い。

でも彼のロビンに対する態度は、何度も何度も私に探りを入れようとしてくるミュルジス主任よりは誠実だと思う。

あなたのその私を完全に理解したと思ってる口調は、私の先生と同じで嫌な気分になる。

ミュルジス

少し度が過ぎたみたいね、ごめんなさい、謝るわ。

でも正直なところ、あたしでさえこの男は少し偏屈に感じるわ。

ロビンさんのように、アンソニーさんと因縁がある人物は、わざわざ探しに行かないと見つけられないもの。

そしてわざわざ彼女を引き入れるなんてね……

まあいいわ。いずれにせよ、これで脱獄チームは完全に集結したということかしら?

サイレンス

……ええ。

ミュルジス

抜け目ない情報通に、腕の立つ用心棒、監獄内を自由に移動できる臨時作業員、監獄勤務歴の長い納棺師、そして優秀なリーダー……

どの方面においても死角がない、かなり優れたチームね。

サイレンス

まあね。とにかく、それ以降、脱獄の準備は比較的スムーズに進められていった。

ミュルジス

その間は何か起きたの?

サイレンス

……暗殺以外は、ほとんどない。

ミュルジス

そうだ、忘れるとこだった、暗殺計画はまだ続いていたの?

サイレンス

ええ。看守たちは囚人たちをしらみ潰しにチェックする以外に方法が思いつかなかった。それに殺し屋たちはアンソニーだけを標的にしていたから、結局看守たちはこの件を放置することにした。

ミュルジス

アハッ、彼らがやりそうなことね。

メイヤー

あっ、ロビンが言ってたこと思い出したよ。

サイレンス

なに?

メイヤー

みんなと一緒に逃げ出そうってドゥーマを説得したことだよ。

ミュルジス

えっ、どういうこと? ドゥーマさんもチームの一員でしょ?

サイレンス

実は彼らも後から知ったことだけど、ドゥーマはアンソニーの脱獄を助けるとは言ったものの、自分が去ろうとは考えてなかった。

ミュルジス

どうして?

メイヤー

彼女はあの監獄から出たことがないからだよ。


ロビン

え? いま何て?

ドゥーマ

私はあなたたちとここを去るつもりはないって言ったの。

ロビン

どうして? まさかこの監獄が好きだとか?

ドゥーマ

いえ、そうじゃないわ、少しも好きじゃない。

この監獄がある都市に停泊していた時、私は前任の納棺師に拾われた……私にはここで育った記憶しかない。

看守たちの冷酷さ、囚人たちの憎しみや悪意、暴力、それに死……私は、それ以外のものを見たことがない。

都市に停泊する時に外に出てみたことはあったけど、私の居場所はそこにはないって感じるの。

私は外に出るのが……怖い。

ロビン

ならどうしてアンソニーの脱獄を助けるの?

ドゥーマ

アンソニーは私の唯一の友達だから。

アンソニーがここに来てから、この大地には彼のような人間も存在するんだってことを初めて知った。

彼も他の囚人と殴り合ったりするけど、自分を抑えることを知っている。

彼も怒ったりするけど、それが他の無関係な人に及ぶことはない。

彼はいつも礼儀正しくて、誰に対しても道理をよく弁えている。

彼は私に面白い本を薦めてくれて、外の世界がどんなものか教えてくれる。

監獄に来たばかりの頃、彼は時々「運命は不公平なものだ」って嘆いていた。私はその時から彼をここから出してあげたいと思ってたわ。

でも私には何もできないし、彼の力になってあげられない。だからあの時は何も言えなかった。

そのうち、彼はだんだんと落ち着いた性格になっていって、他の人はますます彼を尊敬するようになった。……私はそれが嬉しくもあり、少し悲しくもあった。

彼から、何かが欠けてしまったような気がしたから。

私は、やはり彼はこんな場所に閉じ込められるべきじゃない、もっと良い生活を送るべきだと、ずっと思ってた。

だから今回、カフカが彼の知りたかった情報を持ってきてくれて、彼がここから出ようと決心した時、私は心から嬉しく思った。

彼が逃げ出す手助けをできれば、私はそれでもう十分満足なの。

アンソニーには言わないでくれる? 実はもう準備はできてるの。どこかで問題が起こったら、私は命を懸けてでもその問題を補う。

ロビン

……問題。

ドゥーマ

どうしたの? ロビン、顔色が悪そう。

ロビン

何でもない。

ただ、彼のためにあなたはそこまでできるんだって思っただけ。

ドゥーマ

そう。

ロビン

でも、私はそういうのは良くないと思う。

確かに、外の生活は、監獄の中よりもずっと複雑だけど。

それに良いことばかりだとは限らない……いや、むしろ悪いことに出会う方が多いかも。

でも、だからといって怖がって出て行かないのは……すごくもったいないと私は思う。

アンソニーは監獄で生きるべきじゃないとあなたは思ってる。

それと同じで、あなたみたいな善良な人も、こんな監獄で生きるべきじゃないと私は思うよ。

あなたの方こそもっと良い生活を送るべきだよ。

ドゥーマ

……そう、なの?

私にはわからない。

ロビン

それに私は、あなたがこんなにアンソニーのことを思いやっているなら、アンソニーもきっと同じくらいあなたのことを気にかけていると思う。

彼もきっとあなたにもっと良い生活を送ってほしいと思ってる。

ドゥーマ

……

もう一度考えさせてもらっても……いい?

ロビン

もちろん。