アテヌス復讐記ME-8・戦闘前神託の顕現
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ヴィクトリアサルゴンミノスシエスタ
クルビアボリバルヴィクトリアサルゴンミノスシエスタ

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アテヌス復讐記 ME-8・戦闘前

神託の顕現

「ケレセイラ」

何と美しき時だろうか! 暖かなそよ風が吹き、デルフィ川の水が山間を優しく流れている。

瓦礫の上に我らは神殿を築き上げた。今やここには聖火が燃え、花と香の薫りが風の中に立ち昇っている。

英雄の詩歌と伝説は我らに勇気を与え、この素晴らしき日に、我らをこの地へ集わせた――

振り返れば過去には、貪欲な異邦人たちが我らの土地を侵し、我らの肉体を支配し、あらゆるものから歌を奪ってきた。

だが我らは信念を抱き続けたのだ。よそ者に我らの不屈の精神を、ましてや自由なる魂を支配することなどできないと。

我らミノスの名を持つ民は、かくして結束を得るに至った。意志と信念によってこそ、勝利を掴み取ったのだ。

今こそ、最後の異邦人を我らの土地から駆逐しようではないか!

そうしてセリフを唱える中で、パラスはケレセイラの目を通して、かつての第一神殿を――かの山々に囲まれた花園を見た気がした。

その時、ケレセイラの前には、かつて故郷を追われた人々が集っていた。それはまさに今のこの瞬間、客席に座り、あるいは立っているアテヌスの民と同じだった。

誰もが息をひそめている。パラスは知っていた。彼らが待っているのは、何より重要なその瞬間――

ミノス人全員の心を慰め、長い夜と悪夢に終わりを告げる、神託と英雄譚に描かれたような美しい未来が、目前にあるのだと示す瞬間だ。

「アガモンの兵士」

最後の異邦人を連れて参りました。

ティティは不安を胸に抱きながらも、ゆっくりと、しかし確かな足取りで舞台に上がっていく。

これは彼女が選んだ演目で、進んで選んだ役だった。

彼女には言わねばならぬ言葉が、セリフがあり、成さねばならぬことがある。

「異邦人」

私は、我らが――我らの親と祖先が為したすべての行いを悔い改めると誓います。

我らは、その貪欲さと卑劣さ、そして恐れと臆病さゆえに、自ら進んで、あるいは強制されたという思い込みの元で、自らのものでないはずの土地に足を踏み入れました。

本来家族を養うべき両手で他者の故郷を引き裂き、自国を守るためにあるはずの槍で無辜の民を突き刺したのです。

我らの行いすべての代償は、我らが払うべきものであり、払わねばならぬものでしょう。

「アガモンの兵士」

短剣をどうぞ。

「ケレセイラ」

……


ケレセイラは一歩前に出ると、処刑用の短剣を手に取った。

それは彼女がリラを手放し、歩み始めて以来、常に彼女と共に在った武器だった。

その鋭利だった刃は長年の戦いによって摩耗し欠けていたものの、切っ先は今も鋭く、命を奪うに足るものだ。

ケレセイラの前で、異邦人は従順に首を垂れた。

音楽が鳴り響く中、演技を続けているはずのパラスの動きに、わずかに躊躇いが生まれた。

ティティはそこでふと思い出す。あの顔を覆った兵士の背格好にはあまり見覚えがなかったし、動きもどこかぎこちなかった。

彼は、自分が選んだ役者だっただろうか? ティティは、急に確信が持てなくなったように感じた。

広い舞台は開けており、観客の存在はひどく遠くに感じられる。それでも彼女の耳には依然として、彼らのざわめきが聞こえていた。あれは、この芝居に感動してのことだろうか?

――「奴を殺せ。侵略者に代償を支払わせろ!」

あるいはそれは、この舞台に立つサルゴン人に向けられた言葉だろうか?

彼女は顔を上げ、パラスの握る短剣を見つめた。本来ゴム製であるはずの短剣の先端は、陽光を受けて金属のきらめきを放っている。

「ケレセイラ」

……

すべてはここで終わらせねばならぬ。

そうしてこそ、我らは月桂樹の梢に掛けたリラを取り戻し、美酒をあおって、かの我らを育みし山々と大地のもとへ再び戻ることができるのだ。

演劇の儀を止めることはできない。彼女にできるのは、友を信じ、ミノス人の持つ英雄的精神を信じることだけだった。

ティティは目を閉じた。


???

なんと卑劣な。

ミノス人よ、己が矜持と誇りを忘れてしまったのか?

あなたたちにとって何よりも大切な、英雄的精神はどこへ行ってしまったと言うのだ!


客席が静まり返る。

沈黙の中、人々が次第に道を開けていくと、群衆の中から一人の影が、厳かに、揺るぎない足取りで舞台の中心へと向かっていく。

そうして彼は壇上に上がると、自分と異邦人の間にいたアガモンの兵士を蹴り飛ばした。

クサントス

すり替えた短剣で、事故に見せかけた殺人を引き起こそうなど……我らミノスの人間が、いつ、どこで、このような卑劣な行いを学んだのだ?


ペリアンドロス

まさしく求めていたような芝居が始まったな。やはり、想定外のことがなければ面白くない。

無論、先ほど君が我慢しきれず手を出していても、それはそれで面白かっただろうけれど。

シィニスカ

……アテヌスのことはアテヌス人に任せるべきだと思う。たとえこの……名前も知らない男の人が出てこなくても、パラスさんを信じるべきだから。

私も、落ち着きが足りなかったね。恥ずかしいところを見せちゃった。


ベフヌイ

リディア監督官! こ、これは一体何事だ!?

我らサルゴン人に、この――これほどに醜悪な役を演じさせるだけでも屈辱的だというのに、あの短剣はどういうことだ!? サルゴンの使節として、断じて容認できな――

リディア

ベフヌイさん、この役を演じるとお決めになったのはメジェティクティさんご本人です。どうか冷静にお願いいたします。

状況の確認は取れておりませんし、これほど重要な場において声を荒げられるのは、それこそ使節としてのお立場を危うくさせる行為ではありませんか?


カサンドラ

クサントスさん……

やはりまだ、アテヌスを離れていなかったのですね……


クサントスはあの山林での出来事をいまだに覚えていた。あの日、彼は木に縛り付けたサルゴン人を前にして、櫂を振り上げたのだ。

しかしその時、麓から勝利の角笛が響き、リーベリが歓喜と共に全面停戦の報をもたらした。

サルゴン人は怯えながら、よろよろと逃げ去っていき、同胞はクサントスに櫂を持つ手を振り下ろさせまいと必死に引き留めてきた。

以来、怒りは彼の心の中に静かに溜まり続けていた。

もはや荒れ果てた故郷の土地は生気を失っていたが、なおもサルゴン人の残した印が刻まれていた。

それは彼らの旗のようであり、残された地雷のようであり、実際に彼らが川を破壊して築いたダムなどは、地表から決して拭い去ることのできない傷跡となっていた。

クサントスは、故郷からアテヌスへ向かう道すがら、幾度となく、慌てふためき撤退していくサルゴン人の姿を目にした。

ミノス人は彼らに石を投げ、唾を吐いていたが、彼はそれに加わることはなかった。その程度では到底足りないと思っていたからだ。

そうしてアテヌスにやってきてからは、日々デルフィ運河で櫂を手に舟を漕ぎ続けた。彼には運河の流れを見極めることはできても、自身の内なる川を制することはできなかった。

心中には常に怒りが渦巻き、はけ口を求め続けていた。


今ようやく、長年待ち続けてきたその機会がついに訪れたのだ。

彼は櫂を握りしめた。

クサントス

これは俺が――死刑囚として投獄され、間もなく裁きを受けんとしている罪人たるこの俺が、長年待ち望んできた瞬間だ。

ゆえに、この後いかなる理由で罰を受けることになろうとも――

今この時、正々堂々とサルゴン人の前に、そして我が同胞たちの前に立ち、皆へ問いかけるとしよう!

彼の言葉に、客席は静まり返っていた。常に横柄な態度を示していたサルゴンの副使ですら、今は口を閉ざしている。

クサントス

俺は戦争で故郷を失い、親友を失った。

親友の足跡を追う中で、数多の死にゆく同胞たちに出会ってきた。

我々がかつて抱いていた美しい夢は、異邦人の侵略によって打ち砕かれ、もはやそれを元通りにすることも、振り返ることすらもできない。

俺にはずっとお前たち侵略者に尋ねたいと思っていたことがある。お前たちはなぜ、己のものでない土地へ踏み込もうとした?

そしてなぜ、停戦からわずか数年のうちに、何事もなかったかのような顔で、恥知らずにもアテヌスへ戻って来ることができたのだ?

彼は舞台中央の二人へ目を向けた。サルゴンから来た異邦人は、何事かを言いかけたようだったが、結局は口を閉ざした。

一方でパラスは、短剣を握っていた手を下ろした。

クサントス

同胞たちよ。俺は常々、あなたたちがそれほど早くすべてを忘れてしまえることに驚かされている。

百年に及び植民地とされたその歴史は、あなたたちの心に何一つ傷跡を残していないのか?

サルゴン人は我らの故郷を滅ぼし、都市を破壊し、文化を捻じ曲げて、古来より伝わっていた言語を消し去ってしまった。

だというのに、そうした記憶は、サルゴン人への警戒心を抱かせるに十分なものとならないのか?

なぜあなたたちは、過去を手放し、サルゴン人と取引を交わすことができるのだ?

文化交流活動などと――聞こえのいい言葉を並べて!

奴らが持ち去ろうとしているのは、単なる技術資料だけではない。三つの移動都市を築くために我らが流してきた、血と汗の記録をも手にしようとしているのだ!

サルゴン人は、自らが起こした罪の証拠を持ち去り、歴史を塗り替えて、あたかも自分たちが友好的であったかのような虚像を作り上げ、万人に忘却を強いるつもりでいる!

それを後押ししたミノス人もまた、共犯者となるのだぞ!

クサントスは客席を見渡した。サルゴンの副使は怒り狂っている様子だが、アテヌスの監督官は比較的落ち着いているように見える。恐らく、彼の登場を予期していたのだろう。

そして、そう遠くないところから、カサンドラが不安げな目でこちらを見つめていた。遠い片隅には、弟子であるリュケイオンとその学友が身を潜めているのが見える。

舞台上にいる主演の二人は当惑した表情を浮かべていたが、そのどこまでが演技で、どこまでが己の抱いた印象なのかが、クサントスにはわからなかった。

二人の足元には、クサントスが先ほど蹴り飛ばした兵士も転がっているが、彼もまた驚愕の表情を浮かべている。

クサントス

確かに戦争は終わったのかもしれない。我々はすべての苦痛を忘れて、美しく新しい人生を送ることができるのかもしれない。

ゆえにこそ、我々は古い紙束から、神託や演劇、伝説を引っ張り出しては、神殿や祭壇を建て、英雄の行いをなぞることで、古き伝統を引き継いだつもりになっている。

だが、そうした安逸な人生は、本当に心の平穏をもたらしてくれるのだろうか? 空虚なセリフで、故人に慰めを与えることなどできるのだろうか?

俺が目にしてきたのは陰謀に打算、私欲ばかりだ。ミノスの精神はどこに行った? 真の英雄的精神は、一体どこにあると言うのだ?


周囲は静寂に包まれた。しばらくして、目の前にいるサルゴン人の女性が一歩前へと歩み出る。

ティティ

あなたの瞳の中には、悔しさと渇望が見えます。

あなたは正々堂々とサルゴン人と戦いたいと望んでいる。それが、あなたにとっての英雄的精神の表れなんですね。

ならば、今がその時です。一人のサルゴン人として、私があなたのお相手を務めましょう。