暗黒時代・上 0-1・戦闘前
崩落
くっ……
どうなってるんだ、この状況は……!
――探せ! 家の中まで徹底的に調べるんだ!
やめて! その人を放して! 一体、どうしてこんなことを……!
ハッ、抵抗する気か? チェルノボーグのクズめ! 今更何しようが遅いんだよ!
ッ……! もういい、お前だけでも逃げろ! 俺のことは気にするな……子供たちを、頼んだぞ……!
――ママ……! ママ、どこにいるの……!?
――市民のことなど捨て置け! 総員、防衛ラインを死守せよ! ……クソッ、相手の規模が読めん! 仮面の反逆者どもめ……!
皆、手を緩めるな! 隙を与えず攻め続けるんだ!
おい、援軍はまだ来ないのか!? このままでは……!
――行くぞ! 突撃ッ!
っ、レユニオン……どうして彼らが、こんなことを……!?
恐らく、何年も隠し続けてきた本性がついに牙を剥いた……といったところだろうな。
で、ですが……彼らのような感染者が、ウルサスの国民を……チェルノボーグの市民たちを襲うなんて……
ほんと何考えてんだよ、あの連中……! 感染者がウルサス政府に刃向かったら、タダじゃ済まないってのに!
だが、この猛攻を見るに、今回の行動は計画的なものと考えて間違いあるまい。
加えて、我々がドクターを救出したあの場所にさえ、レユニオンが侵入していた以上……何らかの陰謀が動いていると見るべきだ。あそこは本来、秘匿されたエリアだからな。
しかし、だとしたらすでに被害はチェルノボーグ全域に及んでいる可能性もある、か……
クソッ……どうすりゃいいんだ……!
! (小声)静かに。彼らが来ます……!
逃げ出した奴らの足取りは掴めたか?
申し訳ありません、現在捜索中です!
了解、そのまま続けろ。一匹たりとも逃がすなよ。
――血も涙もないチェルノボーグの連中め……俺の父と母、親の世代が受けた苦しみ、必ず味わわせてやる!
(っ、土ぼこりが……!) ――ごほっ……
……何の音だ?
向こうから聞こえたようです!
(小声)ひっ……!
(小声)き、気付かれ……
(小声)――落ち着け。静かに……
(小声)はっ、はい……!
……きゃっ……!
いたぞ! 奴らはここだ!
……い、いやあああっ!!
やめて、来ないで……! ――ど、どこかに隠れないと……!
……チッ、どこへ行った……?
逃げ足の速い奴め……
さっさと出てこい!
ひっ……い、いやっ……!!
こそこそ隠れたところで無駄だ。――見つけたぞ、女。
ッ……! ゆ、許してください……! どうか……どうか、この子だけでも見逃してください……!
…………
……これ以上、黙って見てはいられません。――戦いましょう、レユニオンと。
……アーミヤ。そうは言うが……
もちろん、リスクは承知しています。
けれどそれでも、こうしている間に失われていく命を、見過ごすわけにはいきません。
その上、この状況がいつまで続くかわからないという意味でも、彼らの撤退を待つ時間はないはずです。静観するよりは、行動すべき局面かと。
ですから――彼らを止めましょう。ドーベルマンさん。
――――
……わかった。お前の指示に従おう。
――ロドス各小隊に告ぐ!
現状、レユニオンはまだ我々の存在に気付いていないようだ。
よって、奇襲で一気に畳み掛ける。総員、迅速に行動せよ!
さて、Dr.。ここからはお前に部隊の指揮を委ねよう。――その力量、確かめさせてもらうぞ。
言うまでもないが、見ての通りの状況だ。手は抜くなよ。
ふっ。……頼んだぞ。
では、アーミヤ。号令を。
はい。――みなさん、行きましょう。
……「それが避けられる戦いならば、沈黙を守り」――
――「必要な戦いならば、最後まで戦い抜く」!
それが私たち、ロドスの往くべき道ですから!