暗黒時代・下 1-6・戦闘前
災害
うん。そういうわけで、ロドスの連中は、追跡されてることにまだ気付いてないんだってさ。ファウストのところから戻った伝令が、色々教えてくれたんだ。
あいつら、都市の外周近くのエリアで立ち往生してるらしいよ。
虫けら風情が、天災の混乱に乗じて逃げ出そうとでも思ってるみたいだけど……
チェルノボーグの状況を知られた以上、取り逃がしたら計画の妨げになるかもしれないし。
ひと思いに殺しちゃってもいいと思うんだけど、どうかなあ?
————
こ、この……チェルノボーグのクズどもめ……! お、お前らが……お前らが、俺たち感染者をこんなふうにしたんだああっ!
――邪魔だッ!
うぐっ!
次から次へと……! 命知らずの連中め!
……様子がおかしい。奴らはなぜ狂乱状態に陥っているんだ……?
それも気になるところだが……この場所に、これほど多くの部隊が配置されている理由も掴めんな。
合理的に考えれば、ここを守る必要があるとは思えん。常軌を逸した采配だ……!
――総員、引き下がらずに前へと進め! レユニオンを撃退し、撤退ルートを切り開くんだ!
————
あれが「ロドス」か? フッ……実に勇ましいものだ。
……
な、なんなの……!?
……っ、落石か!? この忙しい時に……!
気を取られるな! 防衛ラインを維持するんだ!
――! 待った、ち、違う……! 落石なんかじゃない……! 崩れたビルの、破片が降ってきてるんだ……!
何? それはどういう――
は、ハハッ……アッハハハハ! 来た、来たぞ! ついにこの時が来たんだ!!
い、イイ、イヒヒヒッ……!! 救いの時だ! 感染者は救われ、ほかの連中は全員粛清されるんだ……!
あは、ハ……あはは、アハハハハ――ぐ、うっ!
ひ、ヒヒ、ヒヒヒヒッ――ぎ……あ、アアアッ!
なッ……!?
あの連中……なぜ倒れたんだ……?
……味方の攻撃、か?
それとも――
――ドーベルマンさん! 空が……!
ッ、これは……!
空が、血のように紅く――
――「煮えたぎる雲が、焔へと転じる時」……まるで、あの一節のような……
皆、慌てず行動しろ!
……! 彼の言う通りだ! 全員、まずは自分の身を守ってくれ!
……まだ、終わりじゃない……! 生き延びる方法は、必ずあるはずだ……!
――「大地は沈黙し、恐怖が人々の声を奪う」。
「されば、大いなる源石が天より下り」――
――「死の落とす灼熱の影へと墜ちていく」。
……タルラ。
……
命令をくれ。――何をすればいい?
――この天災を生き延びる者もあるやもしれん。
生存者がいたら、全員始末しろ。
了解。
レユニオンの連中は、天災を利用して復讐を果たそうとしているのだとばかり思っていたが……
まさか、チェルノボーグすべての破壊をもくろんでいたとは――
これは単なる復讐というより、宣戦布告と見るべきか……
奴らは、感染者の時代を作ろうとでもしているのか……?
こ……こんなことって……
まるで……空が、落ちてくるみたい……
!? おい、どうした! ぼんやりするな、危ないぞ!
……あれ、は……
しっかりしてください!
――あ……!
彼女を連れて、少しでも安全な場所へ!
了解!
全員、今すぐ退避しろ!
みなさん! 天災に、備えてください!